(産地の声)vol.1198 <身土不二、自然から離れた食でいいのか> 2015.7.1
今日は久しぶりの雨です。畑や田んぼの草退治が待っているのですが、雨だと外の仕事きついです。それでも、お客さんが待っていますので雨の中を畑に出てネギを引っ込ぬいて荷作りしています。
収穫したはいいのですが、泥がつきべとべとの状態で、当農場の場合泥付きという、洗わない出荷ですのでたいへんです。べとべとの泥をつけて出荷するわけにはいかないので、皮をむいて手ぬぐいで一本一本ぬぐっています。それでも天気がいいときとは違って見かけはあまりよくありません。
キュウリやモロヘイヤなどはハウスの中なので雨のないときとあまりかわりはありませんが、水滴がついたりしてやりづらいことになります。
いつも書いていることですが、近年は見栄えをよくすることが至上課題のような社会的情勢になっています。私達は、私達の食べ物が土から生まれることを忘れず、そして自然の姿をそのままお届けしようと今のスタイルになったのですが、今時の若い人に説明するのは大変なのです。(若者だけではないかの知れません)
既に日本人の食べ物の7割は輸入品ですから気がつかないかも知れませんが、その内容を知ろうともしない風潮にはいささか幻滅をおぼえます。
西洋の諺に「汝とは汝の食べたものそのものである」といった格言があると言いますが、果たして日本人は日本に暮らしていながら世界中の食べ物で身体を維持しています。その結果がどうなるのか、興味深い気がします。
有機農業研究会の記念講演をされたお医者さんが、日本人の食が「身土不二」でなくなったおかげ?で日本人の食文化が西洋化してしまった。医療費の問題だけ考えてもお医者さんになった昭和30年の医療費は2388億円、人口は8千5百万人。今は人口1.5倍に増えて医療費は40兆円近くになっている。税収が50兆円ない成ったとしてもそのうちの85%は医療費と薬剤、残りの15%で国が生計を立てられるか。と言った話しです。
戦後の占領政策で、ご飯がパンになり、味噌汁が牛乳になってしまったわけです。牛乳を例に話されましたが、牛乳は牛のためのおっぱいで人間のためのおっぱいではない。同種のおっぱいで育てるのが哺乳動物の鉄則なのだと言う。
身土不二は空洞化し本来哺乳動物である人間のおっぱいを飲ませるのが当然なのに。その結果、60年前の170倍という医療費になってしまっている、と言う指摘は極論かも知れませんが、案外当たらずとも遠からず、の感がします。
byおかげさま農場・高柳
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