(産地の声)vol.1205 <今年の夏野菜> 2015.8.19
今朝は肥料がほしいとお客さんが来ました。懇意にしている隣村の人です。先代からのおつ気合いで、私も50年以上のお付き合いです。かっては農協の肥料を使っていたのですが、我が家を見ていてか有機栽培になっています。
家庭菜園程度なのですが、2反の畑では何でも作れます。「お宅の物まねだけど野菜がうまいんだよ」と言います。その他にもおかげさま農場の有機肥料がほしいと何人かが来ます。「自分の食べる分だけでも使おうと思ってよ」と。農業は破綻しつつありますが、農は自分の物は自分でつくる、百姓の始まりです。
「農業は本来消費者のためであってその消費者が関心を示さなければ仕方がない。貿易や価格優先の消費者なのだから何も考えていないと言うことだ。だったら無理して(赤字にしてまで)やる必要はないのでは。」という論は正しい。
そんなことでおかげさま農場の有機肥料を使いたいという人は、採算とか利益など考えていなくて家族を考えている人達と言うことになります。より自然なものを食べたい、むかしながらの野菜を食べたいと言う願いなのです。
ところが、今朝の話しでは「ナスが全滅、瓜もダメで今年はさんざんだった.だから親戚が届けてくれる始末で、ようやく後蒔きしたナスが実をつけ始めたところだよ。それでもどれだけ穫れるかわからないけどね。」と。
おかげさま農場の夏野菜も今年は散々でした。植え付けが遅れたりしたこともありましたが、7月はじめのぶっ通しの雨で、木が枯れ上がりその後の干ばつで成長が阻害されて、といった感じです。 ミニトマトなど、私のつぎは石橋君なのですがこの天候で、1段目2段目の花がつかず花が落ちてしまっています。例年ですと盆明けには収穫が始まるのですが実がつかないでは話になりません。
落花生も盆明けにはゆで落花生で出荷になる予定でしたが、どういう訳か実が成長せず、今月は無理そうです。下旬には出ます、とお客さんには案内したのですが、申し訳なく思います。予測のつかない天候、例年通りに成長しない野菜たちなので、対応に苦慮しています。
一方で、盆前の8月6日に村で稲刈りが始まったというのも私の農業歴45年の中で初体験です。一体地球はどうなっているのでしょうか。今日種屋さんに言ったら、ニンニクの種があって「だんだん高くなっている。農をする人が少なくなって品物がなくなってきているから」という。これは自然現象ではありません。作り手のことを考えていない日本人が増えてきている、ということです。
おかげさま農場・高柳
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