天高く馬肥ゆる秋!です

(産地の声)vol.1214   <天高く馬肥ゆる秋!です>     2015.10.21

 

 大根ができてきました。私は最初に大根おろしに小魚を振りかけ醤油をちょっと垂らしてご飯と食べます。これが手っ取り早い手軽な食べ方です。大根は他の野菜と違ってボリュームもあるのでいろいろな食べ方ができます。

 

 刻んで味噌汁の具も手軽な食べ方です。薄くスライスして塩もみしてもよしそのまま塩水のつける風、も良しです。香の物として食べる感があってさっぱりした味わいになります。但し塩は専売公社の99%NaClの化学塩ではないものを食べましょう。ミネラル豊富な海水塩は、ミネラルの補給にもなるしおいしさが違ってきます。化学塩は、まろやかさがなく自然ではない尖った味です。

 小松菜やほうれん草も育ってきました。ほうれん草は湯がいて鰹節を振りかけこれもちょっと醤油をかけて食べるのが我が家のベストです。鰹節は、本物のカツヲ節をカンナで削ったものです。最近は、あまり売っていなくて削ったものを袋詰めした削り節が多いようですが、見かけはふっくら大きめですが本物とは味が違ってきます。

 里芋ゴボウも旬とあっておいしいです。里芋は皮をむいて適当な大きさにして味噌汁の具に、また煮物ではイカとの相性はいい味を醸し出します。最近の日本人は手間をかけずに食べようと、剥いた里芋を買って食べている人もいますが、これは味が落ちます。何故かというと皮を剥いた里芋は変色の可能性が出てきますので塩素水(=水道水と同じですが)が使われ、味を落とします。

 市販のきんぴらの味がおいしくないのは何故なのかわからなかったのですが、村の葬式でわかりました。お葬式には里芋、ゴボウの料理が定番で作るのですがこれが今一だったのです。よく聞いてみると業者から買ったもので、里芋と同じく塩素水で漂白をかねて漬けてあるのです。

 里芋にしてもゴボウにしても手抜きをせずに全部時自分で作れば昔通りにおいしく食べられ、しかも子や孫にも喜ばれる伝統的な料理として伝わるように思います。が、料理の手抜きと見かけ主義、そして輸入(ゴボウや大根など)野菜という経済主義のおかげ?で昔の食べ物とはいつの間にか違った食べ物になっている感があります。

 素を生かす伝統的調理、いわば伝統的日本食が危機に陥っているようです。世界遺産に登録されましたが果たして食文化は引き継がれているのでしょうか。                       おかげさま農場・高柳功