(産地の声)vol.1215 <麦を蒔きました!> 2015.10.28
タマネギや菜種、カボチャやなすなどの野菜も終わり畑を片付けています。その後に麦を蒔きます。いわば畑のリフレッシュです。麦や稲科の作物は大地いっぱいに根を張ります。野菜は浅根性で地を這うように根を張ります。
麦は、野菜と違って根張りが違うのです。そのことによって畑のクセがなくなるのです。土壌のバランスもとれるのです。10月下旬から11月上旬に種まきして、3月中下旬から茎立ちが始まり4月下旬に穂を出します。
できれば6月の収穫までおいた方が良いのですが、次の作付けのためにモアで刈ってしまい畑にすき込む場合もあります。土作りが主眼です。麦の出来具合で土の状態がある程度わかります。やせていたり生育が揃わなかったりする時は、堆肥や肥料など加減をして施しをします。
いわば麦に土の状態を教えてもらうのです。私の場合小麦ですが、ある試験結果(この場合ライ麦)では一粒の麦の根の延長は2万メートルに及んだというのです。およそ200日で計算すると一日100メートルも根を伸ばすということになります。まるで動物のような成長です。それが良いと思うのです。
実際は一本の根がそれだけ伸びるのではなく枝分かれして枝分かれして伸びるのですが、その総延長が2万mに及ぶとすれば生育期間約200日として1日100mも成長するということなのです。麦の根が畑を縦横無尽に伸びて畑を耕しているようなものともいえます。しかも根や茎などが有機質として残ります。
昔(といっても四、五十年前)までは冬場に麦を作り、夏作はサツマイモや落花生などを作付けしていたものです。農薬もない時代はそうして作付けして連作障害なども回避していました。昔の人の知恵に学んでそうしているのですが、最近は冬場の畑に何もない状態になっています。
麦はお金になりませんから誰も作る人がいなくなってしまいました。しかし、畑の土のためにはとても良い作物です。病気や草なども少なくなります。無農薬で作るためには是非やってほしいことです。
ということで今日は、野菜の跡地に麦を蒔きました。トラクターの後ろに種まき機をつけて耕耘しながらの種まきですから簡単です。
私たちは畑の健康のため化学資材は使わないことにしています。代わりに?麦さんに土作りをしてもらって次なる野菜が防除なしに健康に育てることができるようになるのです。 おかげさま農場・高柳功
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