(産地の声)vol.1228 <美しいもの> 2016.2.10
寒さが応える一日でした。今日は新宅のお手伝いです。学校の教師をしていた従
兄弟が退職し、ブルーベリーを植えたのです。その畑は周囲が山で桜の木やクヌギ
の木などの山林です。
斜面のある山で、その一角に駐車場スペースをつくりたいというのでユンボを持
って行って一日土木工事でした。斜面を削り平らにします。お手伝いが二人いて7.
8台が停まれるスペースをつくったのです。
気温も高くなく風が少々強かったので寒さ倍増でした。
ブルーベリーは目に良いと聞いて食べるようにしていましたが、老眼は中々直りま
せん。昨日目医者に行ったのですが、老眼は年ですから治りません、という。いく
らかでも進行を遅らせるように努力するしかないようです。
雑誌の紹介にあった「震える牛」という小説を買って読み始めたら面白かった。
警察小説なのですがその内容は進行しつつある社会崩壊、人間性喪失の経済主義、
効率主義の一面が書かれています。面白かったので続いてでた「ガラパゴス」も読
んでしまいました。一晩に1冊づつです。
あまり目を使わないように思っていても、判らないことが多すぎてつい本屋に行
って買ってしまうのが悪いクセです。いつも3.4冊は買うのですがその中の「イ
ンテリジェンスの原点」も面白かった一冊です。
対談形式なのですが五木寛之さんが、養老孟司、藤原正彦、半藤一利さん3人と
の対談です。養老孟司さんのバカの壁も面白かったのですが、藤原正彦さんも面白
い人です。武士のようなところもあれば茶目っ気もありですから。
で、その中で、美の存在する土地からしか天才は生まれないというのがあります。
美しい自然、美しい建築、美しい芸術、美しい文学-美というのはすぐには役立ち
ませんけど感性や独創性を育み磨き上げるのに絶対欠かせないもの。TPPによっ
て日本の農家が全部絶えてしまうようなことになれば日本はだめになる。そうなれ
ば文学も、芸術も、数学も物理も全部吹っ飛んじゃう。
たとえほかの産業が割を食おうと、農業は絶対守らなければいけない。なぜなら
それこそが、美的感性の源泉であり、美しい自然の守り人なんですから。と。
最近の農業論はビジネス、経済輸出などとあおり立てていますが、損得ではなく
農業を語る人の出会えたのが嬉しかったです。
おかげさま農場・高柳功
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