(産地の声)vol.1234 <人は人によって人になれる> 2016.3.23
今日はお彼岸の最後の日です。我が家の彼岸の中日は仕事をしません。お墓参り
をしてお客さんを迎える日でもあるのです。おじさんやおばさんが来てくれるから
です。ですから家にいなければなりません。
親類が、知り合いが先祖のお見舞いに来るというのに迎えることが出来ないなん
て出来ることではありません。ということで、来ても来なくても座敷に座って待つ
のです。
家から出たおじさんやおばさんが昔話に花を咲かせます。そうすると、ああおじ
いさんはそんな人だったのか。とか、どこそこの家との関係はそうだったのか。と
か、私の知らない先祖のことを教えてくれます。
自分がどういう家に育ったのか、どれだけ先祖が苦労したのか、そういう中で自
分という存在があったんだ、と言ったことを教えてくれるのです。先祖があって自
分がある、良い悪しでなく存在そのものを実感するときでもあります。
田畑や自然そのもののおかげで今の自分があります。自然の恵みがあって家族が
生きてこられ、田や畑を切り開いた先人先祖おかげで今耕せる田畑があることに感
謝、です。
私たちの親の世代までは兄弟が多かった。警察官になった人、商社に勤めた人。
航空会社に勤めた人、薬局を始めた人、農家に嫁いだ人などなど。ですからいろい
ろな話が聞けます。いわば居ながらにして見聞が広がります。
また、おじさんはオーストラリア、アメリカに長く駐在して、従兄弟たちはフラ
ンスやドイツ香港などに駐在してましたから、仕事だけでなく各国の文化なども勉
強になります。
それもお盆やお彼岸、正月のおかげです。一番面白いのは失敗談です。ニューヨ
ークに行ったおじさんは2度ほど強盗に遭ったけれど、そういうときは素直に財
布ごと差し出す、という。ピストルを持つ国だから下手したらドンと喰らったらお
仕舞い。で財布を2個持っているんだ、という。そういった知恵を授けてくれま
す。村のおつきあいもそうです。
近年はめいめいが自分のことで忙しくおつきあいが疎遠になっています。おつき
あい=ご縁の中で教えられる事は多い。そこで、と言うことで昨晩は村の有志が集
まって何でも話そう会をやることになりました。
話に花が咲いて7時から11時と長時間の懇談になりました。時々は損得抜き
のご縁を大事にしたいものです。 byおかげさま農場・高柳功
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