一年の中で最も忙しい時です

(産地の声)vol.1239   <一年の中で最も忙しい時です>   2016.4.27

 田んぼ仕事ばかりしていたら、ハウスに植えたトマトやキュウリがぐんぐん育ってしまい!管理不足になっています。上に伸びようとする勢いなのですが、捕まるものがないのでコテーっとひっくり返って、寝てしまっていました。 

 

 「これではまずい!」と急遽、誘因作業です。誘因作業とは、ネットを張ったり、糸をつるして上に伸びられるような仕掛けを施す作業です。そのためには、ネットの張れる捕まえどころを作らなくてはなりません。1.8m位の位置に針金を張り、それに引っかけるのです。

 研修生の石橋君がきたので、手伝ってもらいキュウリのネット張りは終えることができました。寝てしまった成長点をネットに引っかけて上を向けました。そうすることによって、今度は自分の力でツルを出し、ネットに捕まりながら上に伸張します。

 キュウリのツルは各節から出て、感知する能力があります。そしてツルを伸ばしくるくると巻き付いて自分の体を支えます。完璧ということはないので、だらしのないやつは捕まりきれずにまたひっくり返ってしまうのですが、そんなときはちょっと手助けしてネットの絡ませてやります。人間も手助けしてやれば徐々に自力でできるようになりますが、キュウリも同じです。

 ミニトマトの方は、一段目の花がに咲いています。黄色の小さな花ですが一斉に咲く姿もいいものです。日に日に育つ様がよくわかります。暖かすぎず寒すぎずの気温で十分とはいえないまでも太陽がほどほどに出ているからでしょう。

 田んぼの方もあと1週間くらいには植え付けしなければならない日程になっていますので、気が焦ります。その他育苗ハウスには、カボチャやモロヘイヤなどが植え付けを待っている状態なのです。

 世の中は、4月下旬から5月の連休の大型連休などと報道されていますが、我々農家はとんでもない話です。それが仕事とはいえ連休といわれる季節は大忙しです。間に合うか間に合わないか、なのです。

 育苗中の作物がすべて植え付けるまで休みはとれません。

 そんな中、村の家で上棟式がありました。「外で仕事をしていた息子が帰ってくるので、と家を建てることになった。」と。食べるものと住むところは生きる上での基本的条件です。近所のものや親戚連中が集まりお祝いの気持ちが暖まる一時でした。

                     おかげさま農場・高柳功