(産地の声)vol.1242 <山すその田んぼ> 2016.5.19
こんにちは。おかげさま農場の片岡です。昨日、山すその道を車で移動していると
高柳場長が田んぼで田起こしをしていました。そして夜に電話があり、この原稿をお願い
されたのですが、この時期に田起こしをするのは珍しいので、恐らく以前、機械が落っこ
ちた田んぼなのでしょうね。地盤改良された田んぼは水は抜けるのですが、山すその田ん
ぼは水が抜けずにドロドロが深く、トラクターが沈んでしまうんです。そうすると土が
乾くまで待つしか無いので大変なのです。
また高柳場長の甥っ子の良太さんは、先週の木曜日の時点で「まだ代掻き中ですよ。
田植えは1枚もやっていません」とのことで、びっくりしました!田植えというのは昔は
5月中旬~6月上旬ぐらいまではやっていたものです。苗にとっては水温が温かい時期の
方が根の活着が良く田植え後にすくすく生育するので、収穫の時期は早植えの田んぼと
ほとんど変わらないのです。しかし兼業農家がほとんどになった今は、多くの人がゴール
デンウィーク(以下GW)にやってしまいます。もっといえばGWにはやっぱりお出
かけしたいので、その前の4月末にはやってしまう人も多くなってきました。そのため、
GWが明けてから田んぼをやっている人を見ると「まだやっているんだな」と見られるん
ですね。
それが先週の時点でまだ田植えを1枚もやっていないというのを聞いて、びっくりした
のです。更にお話を聞くと「今はポンプを9つ使って水を入れているところなんですよ」
とこと。良太さんの田んぼは全て谷津田といって、山すその合間の田んぼなのです。
田んぼは1反(約300坪)が単位として使われますが、山すその田んぼは1反も無い小さな
ものが多く、その1つ1つを田起こしし、水を入れて代掻きし、田植えが出来る状態にする
には、通常の田んぼに比べて手間と時間が膨大にかかるのです。
しかし農家の誰もが知っているように「やっぱり谷津田の米はうめぇな」と言います。
山から自然に流れ込むミネラルがその美味しさの秘密だとも言いますが、いずれにしろ
食べればみんなが「美味いな~」と言います。良太さんのお母さんは「魚沼産にだって
負けない味だよ」と言います。おかげさま農場のお米が美味しいのは、作り方だけでなく
山の自然の恵みのおかげでもあるのですね。
おかげさま農場・片岡弘充
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