(産地の声)vol.1247 <何を食べているのかわからない時代?> 2016.6.22
先日自然農法をしている人がきて、東京での勉強会の資料を見せてくれました。
「遺伝子組み換えと種子支配」と言う題目です。遺伝子組み換え食品は日本人が一
番食べていること。安全性に疑問があること。自然生態系に悪影響を及ぼしかねな
いこと。種子に独占(食料支配)を目論んでいること。など指摘してます。
日本人が世界で一番高い割合で食べている遺伝子組み換え食品を見ると、トウモ
ロコシで食卓に出回る割合は73.6%、大豆は84.3%、菜種は89.1%、綿実(食用)94.1
%となっています。
とはいうものの、多くの日本人はそれを知らない。トウモロコシはコーンスター
チ、異性化糖、加工デンプンなどの形で輸入されています。大豆や菜種はその多く
が食用油となってさらに精製?されショートニングやアメリカなどで発売禁止にな
りつつあるマーガリンなどとなってパンや菓子類などの使用されます。
今の日本人は自分の食べているものが何なのか、何がどうなっているのか知る良
しもなく、かつ知ろうともしない高学歴?社会なのです。
命という最も人間として基本的な知識である食べ物=生存基盤の成り立ちや実情
を知らないのだと言えるでしょう。食と命の教室をやったり、産地見学などで出会
う人たちとの交流で惨憺たる気持ちになることがあります。
話が飛びすぎるかも知れませんが、まだ20代の頃インドのガンジーの著作で
「科学文明・機械化文明は人類滅亡の道だからやめた方がいい」と言った記述があ
り、何故か頭の隅に住み着いていたのですが、その言葉がより身近に感じられるの
は考えすぎなのでしょうか。
自然農・有機農業は農薬や化学肥料を使わない農法ということになっています
が、それが目的ではなく、本来の命へのあり方を問いかけるものなのだと思うので
す。人間が薬やお医者さんにお世話になって生きることが健康と言えるものではな
いように野菜やお米だって同じことです。栄養剤を飲んで殺虫剤や殺菌剤で守らな
いと育たないというのは不健康と言うしかありません。
不健康なものを食べて人間も健康になれるか、と言う問題意識が大切なのです。
自然は人間が何もしなくとも実にその生命力を発揮しています。困るほど野草は育
ちますし緑豊かな生態系を築きます。人間が邪魔をしなければ、ですが。
「自分もそう考えたから無農薬派になったんだ!」と話す仲間でした。
おかげさま農場・高柳功
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