(産地の声)vol.1255 <お盆を終えて> 2016.8.18
お盆が過ぎましたが皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。報道では、お盆
休みを海外で過ごそうとたくさんの人が成田空港を利用したようです。毎年のこと
ですが、多少いかがなものかと言う思いも抱きます。
お盆の我が家は13日は盆棚を飾りご先祖を出迎えます。そして14,15日とお供え
をして、来家する客人を待ちます。今年は、三十人くらいは来ました。日頃ご無沙
汰しているおじさんやおばさん従兄弟やその子などが来てくれます。
お互いの近況やそれぞれの生活、仕事のことなど語り合い賑やかなひとときが
お客さんごとに繰り返されます。それが十人を越えるとなると賑わいとなり心の通
う時となります。先祖がそうした親戚や近隣とのご縁を作ってくれているのだなあ
と思うのです。
待っているだけでなく、親戚や知り合いの新盆があれば途中抜けだし、こちらが
出かけて新盆参りをします。その席でも滅多に会えない人やあちこちの情報が聞け
ます。
そんなことで、お盆に家族でお遊び、お出かけということはしたことがありませ
ん。先祖や先人がいたればこそ今の現在があり今の私たちがいるのです。人の生き
様はそれそれでしょうが、今の時代いくらかは立ち止まって見ることも必要なので
はないか、などと思うのです。
千葉市に住み薬局に勤める従兄弟がきて、「今の日本ておかしいんじゃない?、もう農家
も減っちゃって今後はどうなるんだろうか」と。何を言うのかと思って聞いていま
したら、「食い物は大切だ!食い物はなくてはならないものだ。なのに輸入では、
一端止まったらどうしようもなくなる!」というのです。
いきなりそんな話が始まって戸惑ったのですが、都市に住んでいても何かしら感
じている人はいるんだな、と思ったものでした。
お盆前に農業をやりたいという人が来たり、京都に住む娘から(実の娘ではない)
から、千葉の娘(この人も実の娘ではない)から電話があり「お父さん!近いうち
にお邪魔するから」と遠慮のない話がきました。(私にはお父さんと呼ばれている
娘や息子達が何人もいるのです)
娘達には「食は命」を説法?してきた経緯があってのことですが、実の娘からは
「お父さんは娘や息子があちこちにいて大変だよ!」と言われています。
ともあれ私の財産はお金ではなく、人のご縁なのだ、と思うお盆でした。
おかげさま農場・高柳功
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