(産地の声)vol.1266 <季節は冬> 2016.11.10
7日は立冬。季節は冬に入っています。北の国では早くも雪の季節となったようです。
ここ北総地帯も日に日に寒さが厳しくなって来ています。これまでは、半袖から長袖に
替えて良かったのですが11月に入りそれだけでは間に合わずジャンパーを着るようにな
りました。
今日は遅れに遅れていたお米の検査日でした。お米の検査は、検査の資格のある検査員
に検定してもらいます。検査をしないと産地、年度、品種を名乗れないのです。うるち米
であるコシヒカリは全て一等でしたが、餅米は2等米でした。
酒米とモチ米はいつも2等なのです。何故かというと整粒歩合が良くないのです。検査員
でない私から見てもちょっと見栄えが良くないなあ、と分かるのです。
それでも精米してしまうとほとんど変わりなく見えるようになります。味も変わるわけ
ではありませんが、3等ともなると問題かも知れません。(とはいえ3等のお米を作った
ことがありませんので本当のところは分かりません)。
そんなことでようやくお米の始末がついたところです。早速契約している業者さんが
「今年のモチ米の状態が知りたい」からと1俵のモチ米を取りに来ました。
その検査をしている最中お客さんが見えました。大学生4人が、農業の経営はどうなっ
ているかという聞き取り調査学習です。3年生でゼミのテーマに選んだようなのです。
ようなのですというのは、質問の主旨というか何が知りたいのかが要領を得ない所があっ
たのです。
都市に生まれ都市の中で育った彼らと、私たちのように自然の中で農の暮らしを営んで
きたものの違いなのでしょう。彼らがいい悪いなのではなくてそもそも日常の中での体験
が私たちとは違ってきてるのだと思います。
以前教師の方とも話したことがありますが、今の教育の中で農業は教えない、自然の恵
みのことも教えるけれどもきわめて少ない、と言うことのようです。
それでも熱心で「有機農業始められたのは何故か」「経営として成り立たせるのは難し
いと言うが、どうなのか」などと核心を突く質問が続き、1時間の予定が3時間となって
その間良く聞き、一所懸命のメモを取ったりして、礼儀も良く好感を持った学生達でした。
そんな人たちと出会うと気持ちがいいものです。研究心、向上心を持った人は、こちら
が学ぶことが多い。自前のおせんべいをお土産にあげました。
おかげさま農場・高柳功
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