(産地の声)vol.1294 <ご縁で生きる> 2017.6.1
おかげさま農場の片岡です。この前の日曜日は「食と命の教室」に3年前に参加していた女の子の結婚式で、高柳場長と出席してきました。最初に彼女に出会った頃は、色々なことがあって人生を模索しているような雰囲気だったのですが、比叡山やブータンなど色々なところに出かけ、日本では当たり前と思われている価値観とは違った価値観がある世界を知り、また色々な人とのご縁で明るさを取り戻し、またブータンがご縁で今のパートナーと巡りあいました。
式場もホテルとかではなく、おかげさま農場の野菜を使って料理を出している古民家を貸し切り、間伐材で骨組みを作ったテントを張り、大きな似顔絵が描かれた垂れ幕をバックにし、高柳場長などのギターと歌などでお祝いをされるといった、全て手作りの結婚式でした。料理だけでなく会場からお土産まで全てがご縁がある人の手と真心で作られていて、本当に幸せそうな、そして参加させてもらったこちらも幸せになる素晴らしい結婚式でした。
彼女がブータンに行った時に、現地の女性から聞いた話しで、「ブータンに来る日本の女性は、仕事やお金が先で結婚はその後に来るというけど、ブータンの女性にとっては結婚が一番で、仕事やお金はその後に来るもの」というのがあったそうです。そして、実際に彼女は仕事やお金では無く、人とのご縁を大切に生きるようになり、パートナーと巡り会いました。最後の挨拶でも涙ぐみながら、「これからも人のご縁で生きて行きたいと思います」と話していました。
この話を聞いて、私も今は家族や地域の人たちと生きる事が一番で、仕事やお金はまあどうにでもなる、それよりも人とのご縁が一番大切なもの、というのが当たり前になっていますが、「あ~、そういえば東京で働いていた頃は、ご縁で生きるなんて事は考えていなかったな」と昔のことを思い出しました。
都会の生活、仕事優先の社会では、それが「当たり前」になります。しかし、農村で実際に地域に根ざし、自分で食べ物を作り、先祖から受け継いできた田畑や家屋、そして仲間と生きている高柳場長を始めとした農家のみなさんのご縁の中で生きていると、「人はご縁で生きている」というのが当たり前過ぎるほど当たり前の生活になります。そんな「ご縁で生きること」は人間らしく、当たり前でとても幸せな生き方なんだな、と改めて気づかせてくれた、そんな素晴らしい結婚式でした。
おかげさま農場・片岡