(産地の声)vol.1298 <干ばつの影響> 2017.6.28
今年は、夏野菜の生育が遅れています。今日久しぶりに出会った新規就農の娘さんが「お父さん!今年はナスやピーマンなどが遅れて、葉ものの空心菜なども生育がいまいちで何でだろう?」と聞くのです。
夏野菜は水分を必要とします。水不足でやもってしまった感じです。ここのところ雨が降り、土も適当な湿り気を持つようになり、ようやく元気が出てきたかな、と言うところです。
それでもいったん傷んだ根や木が復活するには時間がかかります。一気に例年の状態に戻るということはないでしょう。徐々にその持っている生命力を発揮して欲しいと思っています。
灌水設備のある畑はいいのですが、露地栽培というコントロールの利かない自然の成り行きに任せるしかない圃場ではやりようがありません。
過去の歴史の中でも、干ばつで不作になり餓死者が出たり栄養失調という状態が出たことを思うと,まだマシな世の中です。
今、日本の農産物自給割合は3割位で、7割は世界中からの輸入に頼って日本人の食が維持されています。今世界各地で 温暖化のせいで高温が続きヨーロッパやアメリカなどで森林火災が出ているとの報道がありました。
と言うことは農地にもその影響が来ることは避けられないでしょう。日本が輸入する地域で干ばつや洪水など自然災害があったら日本人の食が危うくなることが想像されます。世間を見てて多くの日本人は気にかけていないような気がします。いったんことが起こったらどうするのでしょう。
私は心配性ですから自分のことは自分で始末できるよう、必要なお米や野菜は確保するようにしています。農家だから出来ることかも知れませんが、スーパーやコンビニに行かなくとも、社会から隔絶されたとしても生活できるように心がけています。
話は広がりすぎていますが、地震や火山など避けられないこともありますが、直撃でない限りなんとか生き延びる方策を立てておきたいと思うのです。
少しづつ収穫し始めたナスは美味しいです。連れあいが炒めたり,味付けしたナスはバリエーション豊富で美味しいです。 by高柳功