(産地の声)vol.1302 <夏の畑> 2017.7.27
こんにちは、おかげさま農場の片岡です。暑い日が続きますね。夏は日が早いので農家の朝は早いです。人にもよりますが5時過ぎから仕事を始めて8時頃にはもう1仕事を終えて帰宅して朝ご飯、という人もいます。私もたまに5時過ぎに家を出て畑に向かいますが、この辺りは山間部なので、たまに朝靄が周辺に立ちこめて何とも美しいのです。
畑も同様で、朝露で作物が濡れていて、真っ白になった葉っぱも不思議でとてもきれいです。そして畑仕事をしていると、突如辺りが薄い黄色い光に包まれます。東の方からお日様が顔を出して畑に光が降りてくるんですね。7時を過ぎると日の光を感じ、8時には日の熱さを肌に感じます。1仕事終えて8時というのはなかなか気持ちの良いものですよ。また10m先にはキジが歩いていたり、空の上からはヒバリのさえずりが聞こえてきたり。
そしてそんなところで仕事をしていると、通りがかりの農家さんが「頑張っているから」と言って、冷えた大玉トマトを一袋くれたり。夏の畑は朝が一番です。
そんな夏の畑は10時を過ぎるともう暑くて大変です。その暑さを利用して行うのが、太陽熱消毒です。
太陽熱消毒というのは、透明なビニールマルチで畑を覆うことで、畑を蒸して病害虫や雑草の種をやっつける方法です。農薬を使うのではなく、自然のエネルギーを活用したちょとした技術で、多くの農家が今の時期にやっています。これを行うと、秋の作付けがとてもやりやすくなるのです。
まず、雑草がほとんど出なくなります。また、太陽熱消毒をする際には、肥料などを撒いてからやるので、肥料が水溶化して隅々まで行き渡り、作物が肥料分を気持ち良く吸える状態になります。というのも、夏の畑は常に水が蒸発しているので、透明ビニールを張ると、すぐに水蒸気で曇り水滴がつき始めます。地面の上の方に水分が集まるわけですが、夜になると温度が下がるのでその水分が冷えて今度は地面の下の方に浸透していきます。昼と夜、これを繰り返すことで、有機物の肥料分が溶けて畑に広がっていくわけです。
夏が暑いのは当たり前ですので、働く時間をこちらが変え、またその熱も活用して作付が上手に出来るようにするのも、人間の知恵ですよね。
おかげさま農場・片岡