(産地の声)vol.1340 2018.4.18
3月末に蒔いた稲も順調に生育しています。連れ合いは「もう植えてもいいほどに育っているね」と言う。少し肌寒い日が続いていますが育苗ハウスのせいなのか私も「そうだね、今植えてもいいくらいだ」と返す。
田んぼの準備がまだまだで田植えにはなりません。畝刈や水の出の田つくりが終えていないのです。それが済んで水を入れ代掻きになります。
早い人は田植えが始まりました。灌水蛇口のある田はいいのですが、ポンプで汲まないと水が確保できない田が3分の1位あるのであちこち歩き回って、ガソリンを持ちエンジンをかけまくります。
今日は雨模様なので田んぼに出かけず、トラクタのロータリーを取り替え、代掻き用のドライブハローにしました。一年ぶりなので操作を忘れ農機センターに電話して事なきを得ましたが、なんともはや、です。
種蒔きにしても代掻きにしても一年経つと運転の仕方を思い出すのが大変です。畑仕事は連続していますが、田んぼの仕事は一年のその時だけですので戸惑いがあります。友人が訪ねてきて「俺もそうだよ、何せ一年ぶりだからな」と。自分だけではないことにホッと?したりしてます。
夕方TVのニュースを見ながら、それにしてもこの国はどうなっているんだと思わずにおれません。財務次官が、新潟県知事が辞職騒ぎを起こして、森友、加計問題の首相は米国詣でをしてトランプにFTAで米国化への宣言をされているように見えます。
稲作が始まって三千年、私の住む地も田んぼが作られてから千年の歴史を持っています。そうした地方が荒れて衰退する現状は私達の所だけではありません。全国的に地方は疲弊の度が深まるばかりです。瑞穂の国と言われた国、農耕文化の歴史を持つと言われた国がその実態が消滅しそうです。
歴史ある地方を衰退に導きながら、一方でグローバル化、世界に向けてと聞こえはいいのですが、中央と大企業だけが太る構図でいいのでしょうか。世界中で富裕層の一部がますます富を独占し、貧しいものはより貧しくなるという方向へと向かっています。それがグローバル化なのかとさえ思えます。
市民の皆さんは5月の連休を満喫するのでしょうが、農に携わる我々は最も忙しい大事なときです。遊んでいる場合ではないのです。
いくらかひがみっぽい話になりました。ごめんなさい、です。
おかげさま農場・高柳功