(産地の声)vol.1347 (何だか分からない話です) 2018.6.6
種子法を廃止したと思ったら、今度は農家が種子を保存できなくする検討会が始まったというのです。
有機認証をする農家がきて、「なんだか良くわからないけど、無農薬栽培のための紙マルチも稲作用のマルチならばいいけど汎用のものでは認証できないという認証機関がある」と。
何のことか分からないでしょう。そもそも紙マルチということを考え出したのは鳥取大学の先生が考えだしたものです。無農薬栽培で一番苦労するのが雑草対策です。そこで畑に使われるポリマルチ栽培にヒントを得て考案され、試験実験しながら環境に影響を与えないものをと作り出されたものです。
それが逆に畑にも使われるようになった。だから田んぼ用に開発されたのが始まりであって、その逆ではないのです。審査機関は、稲作用となっていなければ認証できない?というらしいのです。
有機栽培の始まりは、化学物質の削減が始まりです。化学物質が環境中にばらまかれると、有吉佐和子さんが言うように、環境汚染となり次世代への地球環境の継続が出来なくなる恐れがあるから。核と同じように人間がコントロールできないものを使うことはやめた方がいい、というレイチェルカーソンの警告です。
どうやら国は有機農家が邪魔のようです。認証機関も多すぎるから整理しようという動きもあります。整理しようと言えば聞こえがいいのですが、別の見方からすれば廃止させてしまおうという意図とも取れます。
分からない事が多すぎます。
一方農薬の世界では、ネオニコチノイド系の農薬が世界中のミツバチを半減させたのではないかと、欧州やアメリカの一部の州でも使用禁止の措置を取り始めていますが、我が国はなんの規制もありません、
驚いたのはその農薬の残留規制を、規制緩和といってその基準を上げたことです。作物の残留基準=それ以上あってはいけない10ppmであったものを40ppmまでよいと基準緩和したのです。毒をもう少し入っていていいよ、と決めたのです。そういうものを日本人は知らずに食べていることになります。
どうなっているんでしょう。種子にしてもそれぞれの国は自国の民が飢えないで済むようにと公的に力を尽くしてきたと思うのですが、種苗会社という企業に預けてしまっていいのでしょうか。なんだか分からない話です。
おかげさま農場・高柳功