(産地の声)vol.1349 2018.6.20
今は端境期です。ほうれん草や小松菜、小カブはなくなりキャベツも終わりに近づいています。大根もです。
旬ということからすれば上にあげた野菜は秋冬野菜です。葉ものや地下になる野菜(大根や人参、里芋など)は冬野菜と言えます。それらの野菜を温野菜にして体の温まる食べ物として食べるのが自然です。
これからは夏なので実になる野菜(キュウリやナス、トマトピーマンなど)が旬の野菜です。あいにくここのところ雨続きで気温の方も20度前後と肌寒い感じですが、30度近い夏日の続くときは実になる野菜が体を冷やしてくれます。
寒いときは寒さの中を、暑いときは暑さの中を元気いっぱい育つ野菜の生命力が私達の体にとっても変化する自然環境に対する力も生まれてくるのではないでしょうか。
最近は熱中症の患者さんが増えているようですが、かってはそれほど聞かなかったように思います。私など熱中症になったという記憶はありません。暑さで疲れるということはありますが人の方が弱くなってきているのかも知れません。
我が家のようにクーラーのない生活環境で暮らしているせいかもしれません。世間一般はクーラーが当たり前のようですが、それが人間の生命力を衰えさせているとしたら、どうなのでしょうか。そんな疑問を抱きます。
10数年前ドイツに行ったときに通訳してくれたご婦人が「日本に帰って思うことはどこに行ってもクーラが回り快適なのですが、それでいいのでしょうか」
「昔は木陰で涼をとり、うちわや扇風機で暑さをしのいでいたのに、、、」と。
抵抗力は、抵抗に出会うから抵抗力がつくのです。快適さの反面失われることがあることを忘れてしまうと、人間力が落ちてしまわないか心配になってしまうのですが考えすぎでしょうか。
野菜達の方は冷温が続いて成りが良くありません。夏は夏らしく暑い日が続かないと野菜も獲れなくなります。
暑いと人間の方も大変ですが、暑い季節は暑くなる方が野菜の成長も、人間の体調も自然のような気がします。
今の旬で最高はトウモロコシです。今月いっぱいは大丈夫のようですが、7月始めには終わってしまいます。
おかげさま農場・高柳功