(産地の声)vol.1363 2018.9.26
雨続きの日が続いています。昨年もこんな天気が続き、種まきが思うようにできず(土が湿潤すぎて)、蒔いた野菜も根が過湿状態になり枯れ上がったりしました。その結果が冬場の野菜不足、高騰を招いたのでした。
こうしたことは慣行栽培も有機栽培も関係ありません。生理的に生育環境が悪化するために育たないのです。
こうした天候だからと、高畝にして(土を盛り上げ)その上に種を蒔く、という方法を採り始めた仲間がいます。一理あります。
年中、しくしくと雨が降り続くと、土の中は水分が充満し、酸素不足に陥ります。高畝だと10センチでも高ければ水がこけます。根が酸素不足から救われるからです。
大根の場合、種まきして3日くらいで芽が出ます。そうして次に本葉が出始め2~3週間で、中耕培土といってさくを切ります。このさくを切るという技術が大根を救います。
培土作業は、畑を真横から見るとVの字に地形を変えます。畝の高いところに大根が育ち、盛り上げられた土は、大根の根回りに寄せられて風雨から守ります。大根は高い位置にありますので、根回りが冠水状態ということから免れることになります。
種を蒔いてからそうするのではなく、最初からそうした土環境にして種を蒔けば、ほうれん草や白菜なども救われるということになります。
通常は平らな畑の方が日当たりよし仕事もしやすく、生育もそろって育ちますからいいのですが、雨天続きの天候だと傾斜畑であることによって救われています。
ということで近年の異常天候をふまえた対策を立てた方が良さそうです。記録的な猛暑が続いたかと思うと、今度は記録的な雨天続き、といった現象が当たり前になったとすれば、そうした天候に負けない技術というか工夫が必要なのかもしれません。
雨続きで、予定していた仕事もままなりません。私ももう一回の稲刈りができず。最初は晴耕雨読だ、なんて言ってましたが、こう続くと焦りと困惑の心が生じてきています。
おかげさま農場 高柳功