(産地の声)vol.1365 2018.10.10
今当地は、あちこちでサツマイモの堀取りが始まっています。かって東京市場の7割が千葉県産で、そのうちの7割が当地だったという時がありました。
そうすると、東京市場に集荷されるサツマイモの半分が当地産ということになります。そのシェアは大きいものでした。
今は、茨城産が増えていくらかシェアは落ちているようですが、相変わらず全畑の半分以上がサツマイモになっています。9月は虫が発生する季節でその食害は大きく、葉が食べられツルだけになってしまっている畑もあります。
虫からすれば、冬に向かう気候で、今のうちに繁殖し、来たる冬に備えて生き残るために一生懸命なのでしょうが、農家にとっては困りものです。
サツマイモに限らず、大根や白菜なども被害が及んでいます。一番困るのが芯を食べられることです。芯は成長点でもあるので、生育がストップします。なんとか生き残ったものも、成長が不揃いだったり、奇形になったりします。
仲間のキャベツ農家が、「防虫ネットを張ったけれど、その中で虫が発生し、増えられて困った」・・・そうなると嫌になってしまいます。笑い飛ばしていますが、、、。
水害や干ばつ、強風などの被害が大きいほど虫害も大きくなるような気がします。弱った作物だから余計狙われるようです。弱り目に祟り目というのでしょうか。
AIの世界が広がっているようですが、人間の都合だけでできるものは開発前進できるのでしょうが、地球の営み、自然の脅威には対応できません。今年も各地で豪雨災害がでました。北海道では大地震が起こり、未だに余震が続いています。
それにスーパー台風という、これまでにない台風が猛威を振るっています。地球異変がどこまでつづくのか?気になるところです。日本だけでなく、世界中で気象異変が続いています。
この国はすでに7割の食料輸入国です。農業は自然に依拠しての仕事です。果たしてこれからも輸入だよりでいいのか、大いに危惧していいと思うのですが、そんな気配がないことが、より危惧するところです。
おかげさま農場・高柳功