冷蔵器の交換

(産地の声)vol.1367                    2018.10.24

 昨日今日と冷蔵庫屋さんがきて、冷臓器の取り替えをしました。20数年使ってきた野外冷蔵庫がたびたび故障して、温度管理ができずに困っていたのです、

 

 人参は、2度前後で保存します。できる限り零度に近い低温で保存することによって、収穫期ではないときにも出荷ができるようになりました。

 人参は一番人気です。それで周年出荷ができるようにと冷蔵庫を用意してきました。当農場の冷蔵庫で最大60トンの保存が可能です。コンテナ冷蔵庫5個分です。

 冬場だと、11月から2月までは畑から掘り取りながら出荷できますが、3月過ぎると芽が動き出してしまいます。なので、2月には堀取り予冷をかけてそのまま冷蔵庫に貯蔵して、順番に取り出し出荷します。

 夏人参は、5.6月は畑から掘り取りながら出荷できますが、今度は高温のため傷みが進んで冷蔵庫に入れないと保存ができません。ですから、7月から10月までの人参は、冷蔵庫貯蔵しての出荷となります。

 そうすることによって周年出荷が可能となったのでした。

 貯蔵温度は限りなく零度に近い温度に保つ必要があります。が、零度以下の氷温になってしまうと凍ってしまい、常温になった時には傷みになってしまいます。 そんなわけで、2日がかりで冷蔵機器の取り替え設置が終わり、今は順調に稼働し始めました。

 時代が便利になって、周年出荷もできる体勢になったのですが、果たしてこれでいいのか、と思う面もあります。冷蔵庫は一年中稼働し、電気が使われます。 人間の便利さとご都合で進歩してきたともいえますが、一方で自然のサイクルからすると逆行する姿でもあります。

 有機農業の原点は、自然の恵みをそのまま戴くことです。そうすることが地球に負荷をかけることなく、かつ四季折々の、旬の恵みを感謝の念を持って戴くことです。

 栽培は、自然の摂理を損なうことなくやろうとしているようですが、その後の姿は、不自然な(それでも人間には便利な)ことになっています。

 そんなこと考えたらやってゆけませんが、ときどきはこれでいいのかなあ、などと考えるときもあります。迷いの10月です。

                                       おかげさま農場・高柳功