(産地の声)vol.1375 2018.12.20
おかげさま農場の片岡です。高柳場長から「たまには書いてみるか」との言葉で、久々の登
場です。
今年を1年振り返ると、災害の年だったと思います。9月にも書きましたが、年始は寒波で始
まり、4月の島根の地震、6月は大阪の地震、そして西日本豪雨と続きました。夏は「災害レベ
ル」の猛暑、記録的な数の台風の発生と21号の大被害。そして9月の北海道の大地震と振り返る
だけで、「あれが全部今年に起こったことなのか?」と信じられないくらいです。
私が成田に戻り、農村にご縁を持つようになってから10年、毎年、農家の皆さんから「こん
な夏は初めてだ」という言葉を聞いてきました。昔の夏は、3日に1回は夕立があり、熱された
地面が冷やされていたものでした。それがここ10年「干ばつ」という言葉が普通に聞こえるよ
うになってしまいました。
そして、一昨年、昨年は秋の長雨。秋野菜の不足と高騰はまだみなさん、記憶に新しいので
は無いでしょうか?
そして、今年は寒波から始まったと思ったら、春は夏のように暑く、そのままなだれ込むよ
うに「災害レベル」の酷暑になってしまいました。大体、自然はバランスを取り戻そうとする
ので、「冬が寒ければ夏が暑い」「夏が暑ければ冬が寒い」というのが、一般的な予想でした。
ところが、秋も暑く、冬も暖冬で始まり、未だに日中は暖かいままです。おかげさまのメン
バーの最高齢は72歳で50年以上農業に携わっていますが、「こんな冬は初めてだ」と言います。
他のメンバーも「乾燥した月が続けば必ず雨降りの月が続いていたのに、今年はそうでは無く
なっちゃったな。もう地球が爆発するんじゃないか」と冗談交じりで言っています。
「こんなことは今まで無かった」と言う言葉が、夏だけでは無く冬にも聞かれ始めた今の世
の中。「やっぱりこのままの生活を続けてはいけないのでは?」とか「経済優先ではなく、地
球環境を優先して、子孫が暮らせるような地球にしないと!」といった声があちこちから聞こ
えてきてもおかしくないのですが、どうもそういった声は農村に足を踏み入れる一部の若者か
らしか聞こえてきません。
そういった事に気づかない、あるいは気づいても生活を変えようとしない人類に地球が怒っ
ているんだよ、という人もいますが、あながち間違いでは無い気がします。来年が今年より良
い年であることを思うのは皆同じ。そうなるために、まずは食から見直してみませんか?
おかげさま農場・片岡弘充