(産地の声)vol.1383 2019.2.20
最近2冊の本を読みました。一つは、おかげさま農場の会員農家からで「種と内臓」という本。著者は吉田太郎さんというひとで、かって有機農研の研修会でキューバの有機農業の話を聞いたことがある人です。
キューバは、ソ連崩壊に伴ってソ連から化学肥料が届かなくなり、食料の不足に陥りました。そこで、国民一体となって有機農業に取り組み、国全体が有機農業になった。正に災い転じて有機農業になっていった、と言うものでした。
そんなわけで、仲間から勧められ読んでみたのですが、これが面白い。著者自身が血糖値が400にもなり糖尿病かすい臓機能が悪化したのではないか、と思わず死を覚悟した、というのです。
土と内臓、種と内臓は食べ物と腸と関係している。農作物と土壌、食べ物と腸との関係がうり二つであると。そして、有機野菜を高くても買い、外食や加工食品を極力控え、ラーメンやうどんも止め、マメや野菜中心の食生活へと変えてみた。
するとどうであろう。便の質、すなわち腸内細菌叢の構成がまず変わり、それと共にインスリン注射によって増えていた体重が一気に10kgも落ち、そしてインスリン注射をしなくても血糖値が正常化していった。というのである。
なぜか。遺伝子組み換え農産物に伴うグリホサートを摂取することで腸内細菌のバランスが崩れ、リーキーガット症候群(腸漏れ症候群)を併発することで、自己免疫疾患が起こり、米国では糖尿病はじめとする難病が多発しているという。
有機農産物を食べ、腸内細菌のバランスを整えれば健康は回復する。今米国では有機農業の一大ブームが起きている。
そんな内容なのです。
もう一冊は、「隠れ油という大問題」著者は、林裕之さんという歯科技工士で日本脂質栄養学会会員でもあります。早い話がサラダ油をやめて娘さんのアトピーが直った、と言う話です。原料である植物油がアブナイ。キャノーラ油、パーム油、大豆油で消費量の9割になっています。キャノーラ、大豆は遺伝子組み換え食品でもあります。
我が家は、遺伝子組み換えを知ってから15年前から食用油は自給していますが、99%の日本人は食べまくっています。全てがそういうわけにはいかないと思いますが、実際に改善され健康になっていった、と言う事実も注目する必要があると思います。
汝とは、汝が食べたものそのものである。西洋のことわざを思い出します。
おかげさま農場・高柳功