(産地の声)vol.1393 2019.5.1
ここのところ雨続きです。田植えが予定通り進みません。というのも我が家の場合紙マルチを敷いての田植えですので、紙マルチが濡れてしまっては破けてしまうので雨ではまずいのです。
代掻きをしては田植えをし、田植えの都合が悪いときは代掻きなどと工夫して仕事をしています。一方、ハウスに植えたキュウリやトマトも育ちはじめ誘引作業や灌水作業など、同時進行しています。
育苗ハウスには、なすやカボチャなどの苗がもう植えてもいいよ!というほどに育っているのですが、畑の都合で植え付けられません。猫の手も借りたい!
話変わって宅配セットの野菜も今の季節は端境期で品数をそろえるのに難儀しています。今週も小じゃがが入りますが、これが美味しい。私達の地方では、ジャガイモの収穫は6.7月です。かって自給自足の時代は、一年分のジャガイモを縁の下の風通しの良い雨のかからないところに置いて食べ続けました。
6.7月の収穫したジャガイモは9月頃から芽が出始めます。そうしたら、そのジャガイモの芽を、一個づつ掻いて食べ続けます。そうするとまた12月頃にまた芽が出始めます。これも芽掻きして食べ続けます。
そうして3月頃になるとまた芽が出始めますので、また芽を掻いて食べ続けます。そうして新ジャガが出るまで食べ続けてきたのです。それがまた3度も4度も芽掻きしたジャガイモが美味しいのです。しわができるようなジャガイモなのに。近年は、冷蔵庫貯蔵なのでそれほどではなくなりましたが。
そんな話を「食と命の教室」で話したら、「知らなかった!」「もったいないことをしてたな!」などの声が上がりました。そのお昼の食事にジャガイモ料理を出したので「あら!美味しいですね。」という。新ジャガより古ジャガの方が美味しいとは面白いものです。
今週の宅配セットの中で、人参、ゴボウ、サツマイモは貯蔵ものです。サツマイモは秋に収穫貯蔵、人参、ごぼうは2月中に収穫し冷蔵庫で保管してます。一般的に消費者の方は、古いものより新しいものを好みますが、私などは新物よりも冬を越したものの方が美味しく感じるのですが。葉物は新鮮な物の方がいいに決まってますね。ということで、夏野菜までの間、不安定な所もありますが、何とか供給できるようでありたいと思っています。
おかげさま農場・高柳功