(産地の声)vol.1397 2019.5.29
この産地の声も書き始めて30年近くになります。今回で1396回となっていますが、それ以前ワープロもない時期は、手書きで書いていました。その部分記録してなくて存在しません。実質的には1400回は超えていると思うのですが、よくも続いてきたな、と我ながら感心しています。
事務室から今から27年前の今日に書かれた産地の声が出てきました。キャベツが傷んでしまった、と言うことが書かれていました。
食べ物は生きています。気温が高くなると呼吸が激しくなり、消耗が激しくなります。そして、一方で気温の上昇と加湿がカビや細菌の繁殖を促し、ちょっとした傷でもそこから痛みが広がります。そんな季節です。
そういう季節なので収穫し、出荷する際にはよく見ているつもりですが、外見上は問題ないように見えて、2枚3枚の葉の内側に痛みが出てしまう、と書いていました。実際にそのようなことがおこるのです。
たまにですが、キャベツだけでなく大根や、サツマイモ、人参などにも痛みが出るときもあります。これも外見上からは分からなくて、切ったら変色していたとか、硬い部分できてしまうとか、おそらく1万分の1以下の確立程度ですが、当たりついた人にとっては、クレームが出て当たり前です。
そんなときは申し出てください。私達にも見えない事がまだまだあるのです。一生勉強だと思うのです。生きているものを扱うということは工業製品とは違うし、生命現象は人間の意志だけでできるものではありません。
とまあ、言い訳のように聞こえるかも知れませんが、言い訳です。どうしたら鮮度、品質を保った形で皆さんのところに届けることができるのか、それが課題です。皆さんのご理解とご協力をお願いしたいのです。
今は、夏野菜に切り替わるいわゆる端境期です。葉物は基本的に5月で終わります。春は春の、夏は夏に元気な野菜を食べることが旬を食べる事だと思います。人間も自然界の生き物ですから、四季折々の天気にあった=元気に育ったものを食べることは生き物として自然だと思います。
原始の人間は、そうして生きてきました。むしろ現代のようにいつでも何でも食べると言うことが、不自然きわまりない気がします。
ズッキーニも、ピーマンも穫れ始まったようです。キュウリやトマト、なすといった野菜は体を冷やしてくれます。なるべき旬を食べましょう!
おかげさま農場・高柳功