(産地の声)vol.1408 2019.8.14
8月は盆月です。5日は檀那寺でお施餓鬼会でした。和尚さんが檀家さんの卒塔婆を用意し、檀家全員の名を唱え供養します。私は、総代の端くれなので檀家さんが来寺するときの受付や接待などの役目でお寺に務めます。
卒塔婆はよく見ると上から五段に刻みが入れてありますが、これは古くは仏舎利塔のなごりで、お寺にある五重塔の意味と同じなのだそうです。「下の段から、地、水、火、風、空で、これらの5つの要素で宇宙のすべてを構成しているという宇宙観をもち、この5大要素によって人間も生かされているとされているんです」。と和尚さんが教えてくれました。
お盆を迎える前に、お施餓鬼会をやって卒塔婆を準備するのです。先祖を迎えるために盆棚飾りをし、13日には稲わらを持ってお墓に迎えに行きます。お墓の前でその稲わらをもしてかがり火にして、持って行った提灯にローソクを灯し、盆棚まで案内してお迎えです。
今朝一番にお墓参りです。お水、お花、線香、お米と野菜の仏さんの食事を持っていきます。我が家の場合墓地も広く、線香を上げる場所が7カ所あって、それぞれにお参りします。草刈りをしたり手入れ、管理が大変なのですが、数百年と代々続けてきたものですから、当たり前のこととしてやっています。
いにしえの人達が築いてくれて今がある、とお墓参りをしながら思います。いろいろな困難、災難や悲しみを乗り越えてきた事など思い浮かべます。前にも書きましたが、父は第2次大戦で陸軍航空隊に属し、朝鮮半島で終戦。時にロシア軍が進駐し、そこにとどまるか、独力で日本に帰るかとなって、仲間4人と食うや食わずで何とか3ヶ月かけて九州に戻れたのでした。
同じムラの同級生は、そこにとどまってしまったのでシベリア行きとなってしまったのですが、運命とは分からぬものです。とはいえ父の兄は、海軍航空隊の飛行機乗りになって、激戦被弾して「敵艦に体当たりする!」と最後の言葉を残して太平洋の藻屑となってしまいました。
戦争は、何があろうとしてはならないことだと思います。人殺しは重罪ですが、唯一正当化するのが戦争です。そんなバカな話が人間のやってきたことなのです。ガバメントという国でなくカントリーという意味での国を守ることがふる里を豊かにすることなのではないかと思うのです。そこが危機的状況なのに、、、。合掌
おかげさま農場・高柳功