虫が凄い!

(産地の声)vol.1419                    2019.11.13

 今年は虫の発生がひどい。私の場合サニーレタスを植えているのですが、ヨトウムシが大発生です。ヨトウムシは夜盗む虫と書くそうですが、夜中に活動し根元の茎を食べてしまいます。

 

 そうなると大本の茎を食べられてしまうので枯れてしまいます。続いて葉も食べるだけではなく茎だけ食べて次の株に移りまた茎だけを食べるのです。ですから1本1本づつ植えたレタスが次々と食べられてしまうのです。

 「全部食べていけばいいのに(良くはないのですが)芯だけ食べてゆくなんてふざけた虫だ!」などと言いながら毎朝虫取りをしています。2百本3百本と食べられると参ります。

 朝ハウスに行って見ると倒れた株の周りをほじくると、たいていその虫がいます。夜中に食べてその周りで朝寝しているようなものです。それを一株づつ見て回り捕まえてはつぶしています。

 レタスだけでなくほうれん草や小松菜の虫も大発生していますが、こちらの方は蛾の幼虫でよそから飛んできて食害する虫が多いようです。キャベツなどは皆さんも知っているモンシロチョウの幼虫で一般に青虫という虫です。

 9月から霜の降りる季節まで活発に活動します。

 在来の害虫に加え近年は輸入害虫も増えてきているように思います。仲間達とも話すのですが、「かってはレタスに集る虫はいなかった」「それが今では当たり前に虫が付くようになった」「大根なども昔はいなかった虫が付くようになった」そんな話がよく出ていました。

 グローバル化と言うことが久しく言われていますが、害虫や病害などもグローバル化で世界中の病害虫がこの日本に集まるようになっているのではないか。農産物の大量輸入の結果、病害虫が増えることに懸念しています。

 にわとりや豚さんも豚コレラの予防が叫ばれていますが、野生のイノシシが大繁殖し田や畑をあらすだけでなく今は病原体を運ぶ厄介者になっています。人間には感染しないとはいうもののいったん出たらその畜舎は全滅です。

 当局の介入で全頭全羽処分になるのです。9月から一連の気象災害に追われていますが、その災害の結果、病害虫がさらに繁殖する環境を作ってしまう恐れもあります。そうしたことを消費者の皆さんも知って戴きたいと思うのです。

                    おかげさま農場・高柳功