(産地の声)vol.1423 2019.12.11
農村に生きてきて、日本の指導者は何を考えているのか分からなくなってきます。独自の憲法改正と言いながら、政策はアメリカのいいなりで矛盾しているように見えます。
田舎者だからよく事の本質が見えないのかも知れませんが、日本からの要求は用意もせず要求されたことに唯々諾々のように見えるのですがどうでしょう?
また、国を守ると言いながら軍備や経済的優位に立つことが優先されているように感じます。成田市と言うところに住みながら都市部と農村部では過疎と過密という分断現象が進んでいます。
その成田と同じように日本中が地方の疲弊、荒れ地の増加が進行しています。国を守るということは、日本のどこに住もうと経済的安定、安心そして自然に畏敬の念を抱き暮らせる基盤をつくることだと考えるのですが、古い考えなのでしょうか。
私のムラの歴史をたどると千年以上前から水田や畑を開墾し住み着いてきた、と町史にはあります。少しづつ開墾し食べ物を、水をそして道路や川を改修しムラ作りをしてきたのです。
千年以上もかけて作り上げてきた生存基盤をおろそかにしていいのでしょうか。そして心血を注いできた稲作や畑作が採算が合わなくなり荒れ地になってゆく姿を見る度に「これでいいのか?」と思ってしまうのです。
冒頭に書いたことは、今回日米貿易協定が結ばれたことに対する農村=地方の側からの感想です。いきなり貿易協定になってしまった感があります。日本のマスコミは政府に遠慮してか取り上げていませんが、アメリカのトランプ大統領は率直にアメリカの利益であり外交の成果だと言ってます。早い話大統領選挙に日本が利用されているのでしょう。対して日本の利は見えません。
台風15号、19号それに続く豪雨で地方はメタメタです。物理的に破壊された事は自然の猛威によること大ですが、それを復興するのはそこに住む人々です。地方経済が貧弱な現状を救わずして未来が築けるのでしょうか。
30年以上も前ですが、日本国民の農業に対する反応は「それは農家の問題だ」と反応し、フランス国民は「自分たちの食べ物の問題だ」となって、国民的意識の違いに驚かされたことを思い出します。
おかげさま農場・高柳功