(産地の声)vol.1424 2019.12.18
NHKスペシャルでお米のことが取り上げられています。病気にかからないために糖質制限としてお米を食べない人がいるそうです。私など「そんなバカな」と思うのですが、そんなことを指導するお医者さんもいると言うのですからもうどうしようもないような気がします。
マスコミやコメンテーターという人達の話はあまり信用しないようにしているのですが、近年はますますひどくなっているような気がします。グルメが一向に収まらず、相変わらずTVなどでは新しい食品を紹介する番組が後を絶ちません。
ダイエット食品から機能性食品とか特保だとかが大流行です。美味しいものを求めすぎて食べ過ぎで肥満や病気を引き起こしている事を忘れています。ダイエットなどの対処療法はきわめて単純なことです。自分の運動量に合わせて食べる。そして食べ過ぎなければいいのです。腹八分で。それだけのことです。
我々人間の体は飢餓には対応できますが、肥満には対応できない体なのです。私達の命は自分であって自分の意志で生きているのではありません。心臓を動かしているのも、呼吸するのも、消化するのも自分が指示を与えたから動いているのではありません。1コ1コの細胞がそれぞれの役割を持って本人の意思に関わりなく動き役目を果たしてくれているからこそ、私達の命があります。
私の父は92才で、祖父は88才で、祖祖父は95歳まで生きました。お米を食べ味噌汁を食べ、野菜を食べて天寿を全うしました。最後はみな自宅で家族に見守られて苦しまずに逝きました。食は身土不二です。
人間も農の世界の作物も食べ過ぎれば病になります。人間の食に例えれば作物の食は土と肥料です。肥料も過ぎれば窒素過多(人間であれば肥満)となって病気が出たり、害虫も余計につくようになります。
薬を使わなければ育たないような食べ物を食べ、(しかも好き放題にたべて)健康になろうというのがおかしいです。作物も土が健康であれば農薬を使わずに育ちます。人間も自然の力で育ったものを食べていれば、不足する栄養はないとも言われます(バランスも大事!)
元々私達の命も自然生態系の一員です。農薬漬けの野菜や添加物盛りだくさんの加工食品、そして遺伝子組み換え技術といった自然に刃向かった結果、医療費42兆円という報いになっているのではないかと思えてなりません。
おかげさま農場・高柳功