(産地の声)vol.1429 2020.1.29
今、中国武漢で発生したコロナウイルスの伝播が毎日のように報道されています。放射能も目に見えませんが、ウイルスも人間の目には見えません。
ウイルスのことで思い出したのが、福岡ハカセの「生物と無生物の間」です。改めて読み返してしまいました。ウイルスは大腸菌をラクビーボールとすればピンポン球かパチンコ玉くらいに小さく光学顕微鏡では見えず、電子顕微鏡が発明されて見ることが出来るようになった、という。
しばらく引用・・・ウイルスは栄養を摂取することがない。呼吸もしない。もちろん二酸化炭素を出すことも老廃物を排泄することもない。一切の代謝をしない。
科学者は病原体に限らず、細胞一般をウエットで柔らかな大まかな形はあれどそれぞれが微妙に異なるやく弱な球体と捉えているが、ウイルスは違っていた。ウイルスはメカニカルな構成で、同じウイルスは全く同じ形をし、そこには大小や個性といった偏差がない。限りなく物質に近い存在であり故に結晶化することが出来るという。
ウイルスは単独では何もできない。細胞に寄生することによってのみ複製する。ウイルスはまず細胞の表面に付着させる。その接着面から細胞の内部に向かって自身のDNAを注入する。宿主細胞は何も知らずそのDNAを自分の一部と勘違いして複製を行う一方、DNA情報を元にせっせとウイルスの部材を作り出す。細胞内でそれが再構築されて次々とウイルスが生産される。それら新たに作り出されたウイルスは間もなく細胞膜を破壊して一斉に外に飛び出す。
・・・それがウイルスの増殖メカニズムのようです。
約100年程前スペイン風邪と呼ばれたインフルエンザが流行しました。一説には5千万人が亡くなったとも。通常の流行性のインフルエンザは子供と老人での死者数が多く報告されるのですが、スペイン風邪の場合、インフルエンザを発症したのは高齢者が多かったものの大半が死亡しませんでした。一方、強いとされる若者を中心に死者数が増えていったことが知られています。
それは、老人は以前に流行ったインフルエンザの時獲得した耐性により死亡するケースが少なかった、と言われています。
ウイルスを退治する薬療法はないということですが、要は体力のある健康体維持のため、生命力のある食材で生命力のある体つくりを心がけるしかないようです。それでも症状が出たらすぐに保健所に相談しましょう。
おかげさま農場・高柳功