(産地の声)vol.1444 2020.5.13
コロナ騒ぎの中での検察庁法の改正に国会では、どさくさ紛れに審議する法案なのか?と話題になっていますが、私達農業に携わる中でも問題な法案が通過しそうです。なんと農家が種を取ることを禁止する法案だそうな。
種子法もろくな審議もせずに通過してしまいましたが、国民的視点からすれば個人からは全ての権利を取り上げ、いわゆる多国籍企業の種子産業への利益誘導の法律廃止、改正に思えます。
TVではコンドロイチン配合の、とかミネラル豊富ななどという機能性食品や健康食品と言われる宣伝が数多い気がしますが、これって日本人は何を食べていけばいいのか分からなくなっているんじゃないか、と思えて仕方ありません。
最近は食パンが人気であちこちでふっくらパンなどとはやし立てていますが、パンは小麦粉が原料です。小麦の残留農薬問題を知っているのでしょうか?。
この国は2018年に残留農薬基準を緩和しました。残留農薬の緩和というのが私には理解できないのですが、国民は知っているのか知ろうとしないのか、それまで5ppm以下が基準だったのを30ppmまで緩和したのです。6倍です。
いわば毒の緩和です。小麦の自給率は低く輸入が9割です。その輸入国は栽培の効率化のため収穫間近に全ての草を枯らすというラウンドアップ(成分はグリホサート)を散布し作業性を良くするのだというのです。
ですから直接小麦の実に降りかかるので当然収穫後の小麦に残留しやすくなります。農民連の分析センターでの市販品の検査結果によれば輸入小麦の市販のパンや菓子類にはほぼ100%残留が確認されています。国産小麦には検出されていません。国産小麦は散布する人などいないから当たり前ですが。
世界的にはグリホサートを排除する動向が強まっています。EUは規制強化を加盟国に要求。催奇性の危険、発がん作用などが指摘され、アメリカでは訴訟が5千件も起こされ、ある訴訟では数億円の保証金支払い命令判決が出ています。
残留基準が6倍に緩和された一方でパン食が爆発的に増えてきそうな雲行きに日本人の体が=命がどうなっていくのか、誰かが「日本は壮大な人体実験場だ!」といったことが思い出されます。
まともな食べ物を食べて天寿を全うしたいものです。
おかげさま農場・高柳功