(産地の声)vol.1447 (多極分散国つくりを目指せ) 2020.6.3
<過疎・過密・格差のない社会を>山下惣一・九州唐津市在住・ミカン農家です。
「未だ終息せず、いつ収束するかも分からない「新型コロナウイルス」騒動だが、思いもかけないこの厄災によって教えられたことがいくつもある。
まずは私達田舎の農家暮らしが恵まれていると言うことだ。それはコロナウイルス騒動が教えてくれた田舎暮らしの安全・安心である。そして「食」を生産保有していることの盤石の強さだ。
逆に都市はその危うさ、生活の危うさが浮き彫りになった。ウイルス感染の要因ととして「三密」が指摘されている。「密閉」「密集」「密接」だが、これこそまさに都市機能そのものではないのか。満員の通勤電車、エレベーター、ラッシュ時の駅のホーム、タクシー待ちの行列などなど想像しただけでわかる。
そんな都市で現在よりも人の接触を80%減らすなどと言うことができるのだろうか。もしできたとしたら、それで都市は生き残れるのか。
人類は20万年前に誕生したが、ウイルスは4億年前に生まれている。私達人類の大先輩である。だから大先輩を撲滅しようとしても無理な話である。新型ウイルスも敵として闘うのではなく人間に対して無害のただの隣人として共存共生を目指すべきだ。農業をやっている立場から私はそう考えるがどうだろうか。
事実が証明しているように発症は大都市に集中している。地方は少なく農村にはほとんどない」。岩手県は現在でもゼロだから、早い話が岩手県みたいになればいいのだ。人口集中が病根だからこれを改善するのが本筋だが、これは容易でない。だから対症療法となるわけだが、現代の科学も医学も疫学もほとんど役に立たないのだから凄い話ではある。発生原因がそのままだから、必ず又同じことが起こるだろう。(中略)
「さて、そこで今回のコロナウイルス禍が私達に教えてくれているのはいったい何なのかを考えて見た。農業を営んでいる私達には良く分かっているが、それは「人間は自然界に生かされて生きている生物の一種であって自然界の支配者ではない」と言うことにつきるだろう」。
・・・昨日仲間から届いた資料の紹介です。
連日のTVコロナ報道はまるで異国の放送を見ている感覚です。都会の皆さんからすると「何だ!」といわれそうですが、不都合も不自由もありませんでした。これをどう受け止めるのか、どう考えるか、私は山下さんに賛同します。
おかげさま農場・高柳功