(産地の声)vol.1451 2020.7.1
1昨日にクレームをいただきました。クレームは歓迎しています。それは、農協出荷と違いお客さん、直接に食べる人の生の声が聞けることと、荷作りや輸送手段などがより改善できることがあるからです。
大根やサツマイモを切ってみたら「中が変色していた」とか、チョウチョウが箱の中から出てきてびっくりした!とか、収穫出荷作業までは私たちの範囲ですが、配送後は私たちの手を離れます。
問題が発生したら、まず生産者と連絡を取り、収穫はどうだったのか、畑の状態は?選別作業は?出荷場までの気がついたことはあったかどうか。そして出荷担当のパートさんがどのように扱い発送まで持っていったのか、など点検します。
前述の大根や芋類の例でいうと、痛みのあるものや変形などは外してあるはずなのですが、なぜそんなものが出てしまったのか悩みます。形さえあればいいなどとはやっていませんから、畑の状態はどうだったのか検討すると、そういえばいくらか畑の低い場所があり、雨続きで過湿状態の影響だったかもしれない。
気をつけていたつもりだったけれど、さらによく見て気をつけよう!という話になったりします。とはいえ外見上問題なく見える場合見逃しは中々防げないところがあります。工業製品と違い自然の生きているものの扱いの難しさが消えることのないお仕事です。
経験の積み重ねが大事です。自分たちとしては十分な仕事をしていたつもりでも、そういうこともあるんだ、ということを教えられる良い機会です。
とは言え最近のお客さんの対応には困ることが多いです。農産物のことが全く解っていない、と思われる節が感じられます。自分で育てた経験のある人とない人では全く理解力が違うからです。
お店でしか野菜を見たことのない人は見た目だけで判断しているように思います。工業製品と同じような価値観というか目線というか、そういう人に限って食は命という観念はないようです。
見た目追求、グルメはやりの結果、農薬をはじめとする化学物質の多用になっていったのではないか、と思うのは考えすぎなのでしょうか。
グルメのために食べるのではなく、命をつなぐために食べることが本質なのだと思っているのですが、そこがすとんと抜け落ちている時代のようです。
おかげさま農場・高柳功