旬の食べ物

(産地の声)vol.1466                    2020.10.28

 秋が深まり今年は冬が早まってくる感じです。それでも野の草たちは元気よく田や畑のまわりの草勢は相当なものです。草丈は膝まであり、先日モアで草刈をしたのですが、頑丈な草でよく刈り取れないほどでした。

 

 9月、10月と太陽の出ない雨が続く気候で、私たちの野菜は日照不足と水分過剰でとろけてしまったり、成育停止してしまったりしたのにです。野草の生命力に負けない栽培をしたいものです。

 何度も書いていますが、食べたいものを食べると言うより旬の野菜を食べると言うことが、その季節を生きる人間という生き物にとって一番の食べ物ではないか、それをいかに調理しておいしく食べるか、と考えたいのです。

 人間も自然界の一員でその季節環境の中で生きるしかありません。その季節の生命力を戴く、と言うことが理にかなっていると思うのです。ある小児科医の先生が言ってますが、子供にはカタカナの食べ物は食べさせるな、と言うのです。 それは私たち日本人は北緯20度から45度の地球的位置に生きています。その地域で採れたものを食することが生物としてふさわしい、と言うことのようです。当農場の標榜している「身土不二」と同じ考えです。

 今の季節は秋冬野菜と呼んでいますが、まさに秋の成育盛りの野菜をいっぱい食べろ!と言うことです。大根やほうれん草、小松菜、サツマイモや里芋などが伝統的野菜ですが、近年は里芋やゴボウなど若い人は食べなくなってきているようです。料理が面倒だと言うこともあるかも知れません。あるいは調理方法を知らないと言うことかも知れません。ホームスティに来ている娘さんに「自分で調理してみなさい」と言うと、「レシピがあればできるんですけど・・・」

 昔の人(私の連れ合い年代までかな?)はレシピに頼るのではなく、まず手元の材料から「何を作るか」「どう作るか」で調理が始まるのですが、今はレシピが先のようです。知恵と工夫がほしい。というかそもそもレシピが先、が当たり前であるかのようです。

 今は柿が旬です。私の柿好きをムラの人も知っているので数軒の人が段ボールに詰めて持ってきてくれています。私は柿が大好きなので、毎日毎食、暇さえあれば食べています。近年、柿を食べる人が少なくなっているようですが、「柿を食えば病気にならないって昔の人が言ってたよね!」そんな話もありました。

                  おかげさま農場・高柳功