大きな変動

(産地の声)vol.1481                                     2021.2.17

 雨模様で、溜め込んでおいた録画を見ました。シベリアのツンドラ地帯をゆく、と言う内容でしたがかってない変化が現れている、と言う内容です。

  北極の氷が溶け、氷の上で餌を採り暮らしていたシロクマの場が失われ、痩せ細り人間の住む居住区に現れるようになったこと。かもめの営巣が奪われて繁殖行動ができず住居の屋根に群れるようになった。

 例年、北極の氷の上で菜食行動をしていたトナカイの群れが河が凍らないため移動ができず、牧畜民も途方に暮れている。これらは生態系の心配。

 また、シベリアのツンドラ地方は凍土地帯と呼ばれる凍土の上にタイガと呼ばれる森林が(オーストラリア大陸よりも広い面積にに匹敵する)広がっているが、温暖化の影響とみられる現象で、地温が上がり始めていること。

 乾燥化が始まり、雨の降らない雷が発生するようになっていること。それによっていったん火災が発生すると山林火災が手に負えないほど広がってしまうこと。これらが地球全体に及ぼす影響は計り知れないと。

 そうしたことに加え、地中に蓄えられていた炭素が吹き出すようになってきている。一酸化炭素は二酸化炭素より、より温暖化を加速すると言われており、各所で炭素の出現と思われる地層変化が起きている。地中に溜め込んだ炭素が大気中に吐き出されれば人間の及ぶところではなくなる。

 なぜならば数千年数万年かけて溜め込まれた炭素がここ数年で出始めたものを人間の力では及ばないだろう。などと物騒な話しでした。

 続いて見たのが、司馬遼太郎の世界-NHKBSアメリカ紀行でした。内容は省きますが、放送最後の司馬遼太郎の遺言とも呼ばれる<21世紀に生きる君たちへ>の一部が朗読され、印象的でした。以下、歴史とは何でしょうと問いつつー

 「昔も今も未来も変わらないことがある。

 自然こそ不変の価値なのである。20世紀という現代は、ある意味では自然へのおそれが薄くなった時代と言える。おそらく自然に対して威張り返っていた時代は、21世紀に近づくにつれて変わってゆくに違いない。

 「人間は自分で生きている」のではなく、大きな存在によって生かされている。この自然への素直な態度こそ21世紀への希望であり、君たちへの期待でもある。そういう素直さを君たちがもち、その気分を広めてほしいのである。」

 20世紀に書かれたことですが、今こそ心に留め置くことのように思います。

               おかげさま農場・高柳