(産地の声)vol.1498 2021.6.23
どこかの原発が再稼働したようです。福島原発の経験から学ぼうとしないことが私には理解不能です。福島原発の教えることは10年経ってもその現場には人間が立ち寄れないものだと言うこと。未だに中がどうなっているのか人間が立ち入ることができないのです。行けば死んでしまうのですから。
若い頃、インドのマハトマガンジーに強烈な刺激を受けたのが忘れられません。それは、産業革命から始まる「機械文明は破滅への道だからやめた方がいい」「それがだめならばなるべくゆっくりと!」と。
そして、生態学の西丸震哉氏のーこのままでは気の向くままに欲望を満たす努力を続けていくと、人が想像するよりかなり短時日の内に破局を迎えることになるはずである。その破局は自然災害のためでなく、先を見る能力がつかない内に自分の生存域を勝手気ままに突き崩したためであり、壊れ方は生存環境だけでなく、肉体、精神、人間社会の全てに渡りおそらく同時進行の形で壊れてどれが先ということにはならないであろう、と。
今TVで2030年問題の特集が組まれています。地球的レベルの取り返しのつかないことにならないようにと三つの課題を取り上げています。水と食料、CO2による温暖化、プラスチックの汚染問題、と。2030年と言えばあと10年です。大変な時代になったものです。国連と世界中の科学者が研究警告し、そして持続可能な社会を世界レベルで達成しようと国連でのSDGsの合意から各国の目標が掲げられています。
そんなことを考えつつ私達の仕事は、目の前の田んぼや畑の仕事に追われています。わがムラの畑は相も変わらずサツマイモが植えられ、北総大地を埋め尽くすように青々と育って、大地の色から緑の畑へと変身しつつあります。
田んぼも分けつが進み、畝間が埋まり緑のじゅうたんになっています。我が家はと言えば雑草が生い茂り、モアや畝刈機、刈り払い機などを使って雑草退治に追われる毎日です。
農業は自然と共に生きる仕事で命を育てる仕事でもあります。私達はお米の命、野菜達の命を戴いて私達の命があります。その逆はありません。天の恵みに感謝するしかないのですが、どうも世相はそうなっていないと感ずるのですがどうでしょうか。
おかげさま農場・高柳功