(産地の声)vol.1530 2022.2.9
暦の上では立春が過ぎ春を迎えたというのに、大寒波が来そうです。既に北陸から東北、北海道と記録的な積雪が報道されている現状です。これを書いている最中にここ千葉も積雪の注意報が出ています。
私の家の前の畑は雨が降るとトラクターが入れなくなってしまうような粘土混じりの土です。雨が降れば泥沼のようになり、乾くと今度はカチンカチンの塊ってしまうような土なのです。
堆肥場の写真を撮る都合があって前の畑に行ったのですが、よく見ると小さな草がチラチラと生えだしています。このままほっておいたら草退治が難儀になりそうなので急遽予定を変更しトラクターをかけました。
雨でも雪でもトラクターが入れなくなるからです。寒さが続くとは言え確実に春は訪れます。今やらないと、です。
あと2日後にはナスやトマトの種蒔きが始まります。仕事は段取り八分といいます。種蒔きにしても、種蒔きそのものはたいした時間ではありません。それよりも種を蒔く準備仕事の方が大変なのです。ハウスの掃除、蒔き床の準備、土の準備などそちらの方が手間も道具も時間もかかります。
食と命の教室を始めて10年目になりますが、初回の農体験は種蒔きから始まります。種を蒔くとはどういうことか、どのように種を蒔くか、温度はどれくらいに保つか、またその方法も。水かけはどの程度やるか、十分に水分がないと発芽できませんが、蒔き床の水分塩梅をどのように確認するかなど、実際に体験、見学してもらって覚えてもらいます。
言葉で語る種蒔きではどうしても加減、塩梅が説明できないところがあります。私達も最初に教えられたのは、土は保水力があって排水のいい土が理想的だなんて教えられたのですが、それだけでは実際どうして良いか分からないものです。
しつこく書きますが、なにより何をどれだけ用意すればいいのか、それから始まるのです。体験が一番の勉強です。
ということで、2月の声を聞くとあらゆる作物の種蒔き、準備が一斉に始める季節となります。既に村内ではサツマイモやスイカ、人参などの種蒔きは始まっています。それに加え次には田んぼの種蒔きの準備も始まります。
種を蒔き始めれば、植え付けを待つ畑、田んぼの準備も始まります。種が生命力を最大限発揮できるよう努めるのが私達農家の役割です。
おかげさま農場・高柳