(産地の声)vol.1552 一農家のつぶやき。 2022.7.13
ようやくというか久しぶりに雨が降った。畑はホコリが立ち、夏野菜は枯死寸前のものも見られた。開墾地の私の畑の隣はサツマイモが植えられていたが、遅かったこともあるだろうが、半分は枯れ上がっていた。
あちこちでは避難しなければならないほど雨に見舞われているというのに、この地は日照り状態だった。トラクターでロータリー耕耘すると土煙がもうもうとわく様相だった。
家の前の畑は地面がひび割れ、そんなときでも雑草は生き抜いているので草退治でトラクターをかけると、まるでロータリーが跳ね上がってしまう状態。
他の地では洪水状態になるほどの雨雲が発生しているのに、北総地帯のこの地は雨に嫌われているのではないかと言うほどだった。
そんな状況だったので出会う人が皆「いい雨だったね!」と言う会話が続いた今日だった。
慈雨ということがあるけれど、今朝からの雨はほんとに慈雨にふさわしい恵みの雨だった。これで空心菜やらゴーヤ、路地のナスなどが息を吹き返す。
しかしながら、一方で雑草も勢いを増す。連れ合いが、2日前に草刈りをした畑を見て、「あの畑の草、もう5センチくらい伸びているよ!」と言う。
作物の成長を喜んでいると同時に、雑草の繁茂が同じ重さで気にかかる。
市の社会福祉協議会の一員であるので、10日は独居老人にお弁当を配る日。なじみのおばあさん達に様子を見ながらお弁当を配るのだが、気がついたことは全員女性だったこと。
たまたま福岡ハカセの「できそこないの男達」という本を読み返した時だったので「ハハン、本当だ」などと思ったりした。人のデフォルトは女であり、男はY遺伝子で途中で男になるという話しなのだが、だから女性の方が長生きするのは生物的にまっとうなのだ、という。
聖書では、アダムがイブを作り出したと言うことになっているが、実はそうでなく、イブがアダムを作り出した、と言うことらしい。地球に生命が誕生し10億年はメスだけで子を産んだらしい。それから10億年たってオスが生まれ=Y遺伝子の誕生という順番らしい。今でも人の成長は受精卵発生から6週間は全て女性仕様で7週目あたりからY遺伝子の登場で、男に作り替えられると言う話。
ジタバタしても始まらない。自然の摂理は人間の知性を越えた真理なのだ。
おかげさま農場・高柳功