(産地の声)vol.1567 一農家のつぶやき。 2022.8.24
猛暑の続いた8月もあと1週間となった。
ムラの田んぼは、稲刈りが始まってすでに早生種は刈り取りが進み、ところによっては大半が刈り取られた。
我が家は遅いコシヒカリなのであと1週間か10日後になりそうだが、雑草の始末に追われている。夏草の伸長は早い!お盆前に刈ったところが復活それ以上に草丈が越えている。
田んぼを優先して畦草を刈ってきたのだが、おばさん曰く「畑の草がすごいねえ!」と。ひざ丈を超して腰近くまで伸びているではないか!大豆畑の大豆は順調に芽が出て生育をしていたが、それ以上に雑草が繁茂してしまった。
脊椎間狭窄症の連れ合いが見てられないと連日畝間に入り草取りをしているが終わらない、家の周りの畑が草に埋もれそうなので、刈り取り機で草退治の一日となった。ところがあまりの大量の草なのでエンジンが止まりそうな負荷がかかって度々エンストを起こす。
仲間が、「高柳の畑がすごいね、遠くから見て草原のようだよ!」と。ともかく草の始末をしないと稲刈りが始まらない。田んぼに入ったら1ヶ月は畑に入れないのでほっておいたら草原を通り越してしまうのだ。
夏野菜もなんとか生きのびているが、天候次第でどんな災害を被るかわからない。せめて秋野菜の登場まで生き抜いてほしい。
我が家のお米も在庫が底をつき注文に応じられなくなっている。あと10日くらいたてば刈り取りが始まるので少しばかり待っていただくしかない。
ところで日本はお米余りと言われ減反が続き、飼料米へと政策転換されてきたが、余ったお米ならば食糧不足の地へ無償援助しても良さそうなのだが、なぜそれができないのだろう。不思議でならない。
米余りと言いながらアメリカなどから80万トンも義務輸入をしていて、やめることができないとこの国の大臣は言う。余っているところから足りないところへ援助すれば世界平和の一助とになるのは間違いなしと思うがどうだろうか。
地球レベルで見れば、飢餓が進行し、日本の稲作農家は既に採算割れしていて、余る米対策をしているという変な現象をどう考えたらいいのだろう。稲刈りで出会う農家の張り合いのなさにも先の見えない不安を抱く秋だ。
おかげさま農場・高柳功