(産地の声)vol.1561 2022.9.15
おかげさま農場の片岡です。季節は秋ですが最高気温30℃の日もあり、まだまだ暑い日が続いていますね。
さて、9月というのは農村が最も忙しい時期です。まず、畑では種蒔きシーズンのピークになります。8月下旬からキャベツや白菜、またニンニクなどの種まきが始まります。大根は9/6以降と言われています。ホウレン草、春菊といった秋冬野菜はまさに蒔き時なのです。
9月ともなると日がどんどん短くなり気温も下がっていくので、「1日種まきがずれると収穫が1週間遅れる」と言われています。そのため、あえて種まきを3日ずらすことで、計画的に収穫時期をずらします。ところがこの数年は天気がめちゃくちゃで、気温が下がらないと1作目と2作目の収穫時期が重なって出来過ぎてしまい、廃棄せざるを得ない状況になります。一方で、2作目が本来出荷したい時期には無いので、ある時期は急に野菜が無くなる、なんていうことがあるのです。天候不順は長年の経験を元にした計画的な栽培も狂わせています。
また、収穫の秋、と言えばやはり稲刈りです。10年ぐらい前までの田植えは、高柳場長のような専業農家はゴールデンウィーク後から、普段は会社員の兼業農家はゴールデンウィークにやるのが当たり前でした。ところが最近はゴールデンウィークは出かけたいので兼業農家はゴールデンウィーク前に田植えをするようになり、専業農家も5月半ばぐらいには終わらせなくてはいけない時代になりました。結果、稲刈りの時期も早まり、早い人は8月で終了。高柳場長はこの辺りでは一番遅い方なのですが、現在、稲刈り真っ最中で顔を真っ黒に日焼けしながら稲刈りを頑張っています。稲刈りといっても刈る前の準備として、畦の草、田んぼの草などを刈りが必要ですし、刈った後の機械の整備も必要です。乾燥機、籾擦り機などを整備し、実際に稲刈りが始まったらノンストップ。刈り時と天候を見計らいながら機械の出来るペースに人間も最大限合わせて仕事をします。このノンストップの日々が過ぎると、「これでやった稲刈りが終わった。これで1年食っていける」といった実りへの感謝を持てる気持ちの余裕が出てきます。
9月を過ぎると稲刈りも終了。畑での種蒔きも大体終わり、雑草の伸びも収まるので田畑仕事は一段落します。今年の春・夏は暑い日が多かったのですが雨も適度に降ったし、虫や雑草が例年に比べて少なく、秋は曇天が多かったものの台風も来ず、なんだかんだ言って恵まれた年だったのかな~と思います。
おかげさま農場・片岡弘充