(産地の声)vol.1564 一農家のつぶやき。 2022.10.5
ようやく稲刈りが終わった。一段落である。あと籾すりが残っているが仕事場での作業なので天候を気にする必要はない。
終わってコンバインの掃除をするのだが、毎回苦労するのはクローラーという足回りの掃除だ。当地は湿田が多く泥がこびりつく。このクローラーにこびりついた泥を取り除くのがやっかいなのだ。
高圧洗浄機で掃除すれば泥を吹き飛ばせると思いきや、簡単に吹き飛ばないのだ。泥と藁が絡まってべったりと絡みついてしまう。しかも足回りだからコンバインの下に潜りながら泥落としを知ることになる。
一日で終わらず2日かかってしまった。とはいえ高価な機械なのでおろそかにできない。従兄弟がコンバインを取り替えたが「5百万くらいで済んだか?」と聞いたら「とんでもない、7百万だ!」という。
2年前、我が家のコンバインも修理に出し「70万もかかったよ」と話したら、従兄弟曰く「まだいい方だよ。俺は百万かかった」と言ってたので、再びの故障で新規購入費は堪えたと思う。
「もう米つくりはボランティアだね。ボランティア以下かも知れない」と言ってたが、この地域での米つくりは崩壊寸前の様相を呈しているかもしれない。最低賃金の値上げなどが話題になっているが、その最低賃金以下の稲作になっている。 世間全体が値上げラッシュだが、機械もそうだが、肥料や出荷資材などが2割3割と値上がり予告が続いている。中には、予測がつかないと言うところもある。どうなってしまうのだろうか。
一方で、ガソリン値上がりの補助金を交付して国民の負担を軽減するとしたのだが、その元売り企業は空前の利益を上げているという。何なのだ!。コロナ対策も万全という触れ込みだが、ワクチン製造会社も利益倍増という。何かおかしいと思うのはおかしいのだろうか。
国は経済対策に為に数兆円、国民のために数兆円と庶民には想像もできないようなお金を揚げるが、一市民としてはほとんど対策がされているという実感はない。
今日、成田市から65歳以上ということで1万円の商品券が郵送されてきた。連れ合いは「あらまあ」などと叫んでいたが、これがいいのかどうか、考えてしまった。こんな世の中でいいのだろうか、と。
おかげさま農場・高柳功