(産地の声)vol.1573 一農家のつぶやき。 2022.12.7
農業新聞によると、今年の秋9-11月の気温が過去100年で最も高温の年だったという。気象庁が調べてわかったと言うから本当だろう。
余談だが本当だろうというのは、私の父は農業新聞のデータはでたらめだと言って信用していなかった節がある。そんな父の影響もあって確かめる癖がつくようになったのだが、気象庁の言うことだから本当なのだ。
12月のなっての初霜の年というのもその影響なのかも知れない。各種野菜が成長しすぎて、我が家の大根もでかくなりすぎ抜くのに一苦労している。
それだけならいいが、当農場からの大根も影響が出て切ってみると黒く変色しすぎた、とお客さんから苦情が出てしまった。大根だけでなくジャガイモも切った黒く変色したものがあったと。
大根やジャガイモそしてサツマイモなど根菜類の中は見えない。サツマイモは尻尾と頭を包丁で切り取る際に確認するが、それでも中まででは見えないので時々変質のものがでてお客さんに届いてしまうことがある。
外見で判別できるものは何とかなるが、生理的現象や寒さなどで変質するものは見分けがつかない。困ったものだが、お客さんで気がついたら歩一報いただきたいと思う。<何らかのフォローをさせてください。>
その農業新聞に農産物の輸出額が1兆円を越えたと書かれていたが、全く喜べない。国も農業振興のために輸出を掲げていたけれど、農業生産額が上がればいいというものではないだろう。
大体、我々が誰のために農業をしているかというと日本人のために作っているのであって外国人のためにではない。国民に十分な程生産があって、なお余るのなら輸出もあっていいと思うが、実態はお粗末な自給率3割の国だ。
先進国の中で食糧自給率、最低の国に誰がしたのだろう。瑞穂の国だったはずが有り余るお米があるのに、77万トンも毎年買い続ける現象は理解できない。
一方で食に対する関心がいくらか変わってきたようにも思う。前にも書いたがオーガニックの野菜を学校=子供達だけでもまともな食事を!といううねりや、無農薬野菜の作り方を教えてほしいという依頼が舞い込んでいる。
安全な食べ物を食べたいというのだ。でも安全な食べ物を食べたいということは安全でない食べ物があるということだと思うがどうだろう。
おかげさま農場・高柳功