(産地の声)vol.1584 一農家のつぶやき。 2023.3.1
3月になってしまった。春が来た。山に来た、里に来た野にも来た~
昨日は風がひどく、畑に出たら春一番という程ではないが畑の土が空中に舞い上がるほどだった。肥料をまきに畑に行ったのだが、風で飛んでしまうのでやめて引き返したのだった。
育苗ハウスのトマトやナスもようやく芽が出揃ってきた。ナス科の野菜は芽が出るのに時間がかかる。11日に種まきしたものが今だから、18日目だ。一時期温度をかけないで自然のままでやったことがあるが、それだと3週間以上の日にちを要した。
今は、温床で25度設定で芽を出させ、今は20度に下げて管理している。徐々に自然にならしていこうと。人間もそうで生まれたばかりは寒さを防いで守るが、徐々に寒風に負けない強さを身につけさせようとするのに似ている。
環境が良すぎると軟弱に育ってしまい、丈夫な体にならないのは生き物として同じではなかろうか。丈夫な体を作ってくれるのは自然環境の変化、暑さ寒さ、そして風雨にあってこそ丈夫な健康体に育つ。
自然に出会うことによってこそ生命力が養われるように思うのだが、近年そうしたことを失念しているのではないかと思えるのだが、どうだろう。
となりの畑のじいさんが草取りをしてたのでちょっとのぞいたら、フキノトウが芽を出していた。我が家は蕗味噌にしてと春の味を楽しむ。
最近、味噌つくりが盛んだ。娘が2週続けて味噌つくりイベントをした。我が家のお米と大豆を材料にみんなで味噌搗きをして、めいめいが希望の量を持って帰った。昨年もやっていたが、だんだん希望者が増えている。
自前の材料で安心だと言う。参加者に聞くと「美味しいんです!」「食べて違うんです」と言う。多い人は20kgほしいなんて人もいる。
先週も書いたけど、発酵食品は健康にいいと思う。サプリメントなどに頼らずホンモノの伝統製法で手つくりのものを食べていると市販品はいらなくなる。
今日は小麦がほしいと銚子の方からご婦人が来た。聞くと、「醤油を作りたい」とのこと。醤油の製法はいろいろとあるが、この地方では大豆と小麦を原料として仕込む。小麦を作っている人はいないので我が家に来たのだった。
そんなことで、最近は醤油の手つくりしようという人も増えてきた。応援するつもりで、差し上げた。
おかげさま農場・高柳功