平和国家から戦争国家へ

(産地の声)vol.1594 一農家のつぶやき。         2023.5.10

 私も時々は、SNSなどでの発言を見る。 

 その中で、グーグル日本法人元社長さんの発言があった。題して「田中角栄の予言が的中。日本を狂わせた”安倍政権の犬” が作る「戦争国家」日本。

 

 強烈な題だが、考えさせる内容だった。5月3日は憲法記念日だったが、日本は今、国形を大きく変えつつある、と。今、深刻なのは、戦後80年近く積み上げてきた「平和国家日本」と言うアイデンティティーを、日本政府が憲法を無視し、国民との明快な合意なしに捨て去りつつあることだ、と。

 第2次安倍政権下で安保法制が強行採決、閣議決定で武器輸出三原則が防衛装備移転三原則に置き換えられた頃から、「戦争を放棄し平和を誓った国がにわかに変節し始めたような恐怖感を憶えた」という。

 田中角栄の秘書官から聞いたという話の中で、「戦争を知っている奴が世の中の中心である限り日本は安全だ。しかし戦争を知らない奴が出てきて日本の中核となった時は怖い」。「将来、憲法改定があっても9条だけは触ってはならない、とも断言していたそうです」と語っていたという。

 防衛装備移転三原則で実質的な武器輸出が解禁され、その後の安保法制の強行採決によって憲法を改正することなく解釈で憲法違反にあたる「集団自衛権」があっさり容認。しかも解釈を180度転換させるために、法の番人ともされる内閣法制局長官の首をすげ替えている。・・・中略・・・国是とされてきた「戦争放棄」と「専守防衛」は実質的に廃棄されたも同然。我が国は軽武装・経済優先の国から、重武装・軍事優先の国へと大きく国の形を変えつつあります。

 昭和史の半藤一利さんも言っていたが、勇ましいことが叫ばれるような時は警戒しなければならない、と東大で講義したと聞くが、怖い気がする。

 我々農家は平和がなければ仕事ができない。農家だけではないだろうが、平和が一番いい。軍備をそろえるより、弱き人々に救いを、世界の飢餓にあえぐ人たちに救いを、アフガニスタンで銃弾に倒れた中村医師のような全ての人に食べ物をといった活動をする国であってほしいと願う。

 軍事より外交で。国際連盟もその後の国際連合もまだ弱いところもあるが、そうした中で、それこそ今度の岸田首相のいう聞く力で相手をよく理解し、日本の力で世界平和の道を進めてほしいと思うがどうだろう。

  世の中は連休であちこち混雑したそうだが、当方は田植え続きの毎日なのだ。

                       おかげさま農場・高柳功