無着先生の教え

(産地の声)vol.1606 一農家のつぶやき。         2023.8.2

 早8月になってしまった。当地の稲田は早いものは色づき始めた。出たばかりの穂は青さが一面の緑一色なのが、日を追うごとに熟しているのだろう、黄金色になり始めた田んぼが目立つようになった。

 

 この暑さで野菜達も干ばつ気味で我が家の里芋は枯れ始めている。昨日ようやくというか、潅水チューブを設置、水をかけ始めた。隣にゴーヤを作っているのだが、そのゴーヤも普通なら堅くしまっているものなのだが、幾分ふにゃふにゃしていて、明らかに水分不足を呈している感がある。

 慌てて、里芋をかけたあと、今日はゴーヤにも潅水した。幾分持ち直してくれるのではないかと思っているのだが、どうなるか?

 また、自給用にスイカを栽培しているのだが、何個か爆発していた。多分干ばつとこの暑さのせいか、爆発したスイカがドロドロになって潰れている。他を見渡したら10数個が割れてしまっている。

 収穫したナスやミニトマトもちょっと管理が悪いとしなびてしまう。皆さんも気がついたら当方にお知らせいただきたい。充分点検しているつもりなのだが、見落としがあって、痛みが出てしまっている可能性があるので、、、。申し訳ないので。

 話変わって、おかげさま農場の名付け親だった福泉寺の無着成恭先生が他界された。享年97歳。知り合ったのは昭和58年、中学校PTAの研修会の講師としてこられた。その時の演題が「現代にとって教育とは何か」だったと思う。

 先月6月にお会いしたときはいつもと変わらぬ様子だった。お寺に息子さんと暮らしていたのだが、急に様態が悪くなり日赤病院に入院し、その翌日急変しあの世へと旅立ってしまわれた。

 おかげさま農場も、無着先生に背中を押され始めたようなもの。最後の著作を昨年出したばかりだったのに、などといろいろな思いが頭を駆け巡る。

 その著作の帯には「人間が自然をねじ伏せるとか、支配するなどと言うことは妄想なのだ。いかに自然を守り、地球を大切にするかーだけが人間の幸せとつながるのだと思う」と書かれている。

 近年のCO2問題や異常気象などの頻発を思うとまったくその通りではないかと思う。人間の驕り、傲慢さが人間の生存基盤を侵しているように思うのは考えすぎか。皆さんはどう思われるでしょう。           合掌

                      おかげさま農場・高柳功