(産地の声)vol.1610 一農家のつぶやき。 2023.8.30
連日の猛暑の中、毎日草退治に明け暮れている。午前中いっぱい田や畑で草取りをしていると、下着から上着まで汗びっしょりでまるで雨に打たれたような格好になる。
そのまま家に上がれないから、体に張り付いた上着やズボンを脱いで風呂場に直行する。下着は、肌に張り付いて上手く脱げない。それでも脱がないとシャワーも浴びることができないから、ひっくり返すように脱ぐ。
シャワーを浴びて全身着替えてお昼ご飯となる。お昼は3時過ぎまで休んでまた草退治をするが、また全身ずぶ濡れなので、風呂場に直行してまた着替えることとなる。
世間では、熱中症騒ぎが起きているようだが、そんなことを言っていられない。目の前の田や畑のことを思うと動かないではいられないのだ。
草退治はまだ体を使う仕事なので、機械事故はない。
無農薬仲間が、事故になってドクターヘリに運ばれ入院してしまった。私たちのグループではないが、長い間一緒に無農薬栽培に取り組んできた仲間だ。聞いてすぐに連れ合いと見舞いに行こうと病院を訪れたのだが、会うことはできなかった。
今の病院は、面倒くさくなった。予約がないとあうことができない。息子に聞いた話では、脊椎損傷、それも3箇所だという。嫁さんの実家の植木刈りに行って、はしごから転落してしまった。怪我のひどさでドクターヘリとなったらしい。
そんな話から今度は、当農場のタマゴ屋さんがトラクター事故で入院となってしまった。以前、頸椎損傷の事故を起こしていて、今度は脊椎が損傷しているという。酸素マスクをつける程の症状らしいが、何とか健常になってほしい。
昨年は、当農場で使用していたウズラの鶏糞の農場主が脳梗塞で倒れ、意識がなくなり急遽、ウズラの経営ができなくなってやめたばかりなのに。
ニワトリ村の平飼いタマゴは、後2週間で整理することになった。なので、おかげさま農場もタマゴの出荷は終了する。動物を飼うというのは、人手が必要だ。働き手がいないとニワトリは飼えない。奥さんがいるが、心労が激しく断念せざるを得ないという。ご理解いただきたい。
生老病死は避けて通ることができない定め。しっかり受け止めていくしかない。
おかげさま農場・高柳功