寒い中での春の兆し

(産地の声)vol.1637 一老農のつぶやき           2024.3.6

 雨が降り、寒い日が続いている。気象庁は暖冬だと言うが、体感的には寒い日が続いている。

 昨日も大霜が降り、朝は白い景色だった。日中も気温は上がらず、10度以下のままで、いくらか寒気を感じたせいか、風邪を引いたかのような気分。

 

 そんな気候にせよ、家の前の庭にフキノトウがが出現。連れ合いが天ぷらにして出してくれた。お客さんも来ていた時なので、一緒になって旬を味わったのでした。

 自然の中で暮らしていると、人間の意志とは別に季節が恵みを知らせてくれる。恵みもそうだが、水仙や梅の花も咲き、季節の彩りが始まった。

 野菜達もこの寒さが明けると一斉に春から夏への準備が始まる。まだ始末のできていない三浦大根の畑を見ると、薹立ちが始まっている。栄養成長から花を咲かせるべく茎立ちが始まり花芽が出来はじめた。

 そうなったら大根は食べられる大根ではなくなってくる。全ての栄養を開花、種つくりへと体質が変わって、食べられない大根になってしまう。ほうれん草や小松菜、ネギなども同じで、太陽光線が強くなり、気温の上昇で、薹立ちが始まる。

 葉物野菜農家は、薹立ち対策に、次々と種を蒔く。その時々に薹立ちしない野菜をそろえるために、何回も種蒔きをする。そして春先は、種の間隔を広くしたり、薹立ちしにくいような栽培をする。株同士が狭く競合したり、栄養不足だと、花芽を作る方に育ってしまう。

 3月6日は啓蟄の日だった。冬ごもりしていた虫たちが一斉に土やさなぎから出てくる季節と言われる。野菜やお米も種を蒔き育つ季節だが、同時に虫たちも目覚める?季節でもある。

 庭先の栗の木が虫に食われて枯れてしまいチェーンソウで伐木。麹つくりのためにお米を蒸すために薪にしたところが、親指くらいの鉄砲虫と呼ぶでかい虫が木の芯に食い込んでいた。太い枝が枯れてしまい、木が半分になってしまった。

 話はコロコロ変わるが、春の作付け種蒔きの忙しくなる前に、味噌搗きをしようと、麹つくりをしている。今年4度目の味噌つくりに入っている。お米と大豆と全て自家産の味噌つくりなのだ。残念ながら塩だけは自給できないが、希望者が多い。

 季節の変動で体調を保つことが大変ですが、しっかりお米を食べて元気になりましょう。なお、宅配でクレームもありました。皆さんの中で気がついたら遠慮なくお知らせ下さい。一生勉強です!

                      おかげさま農場・高柳功