(産地の声)vol.1646 一老農のつぶやき 2024.5.8
連休はコロナ騒ぎが収まって、全国各地が人で賑わったようだ。成田空港も外国人の入国が過去最高となったという。季節は陽気も良く芝桜やあじさい、藤の花など花が乱舞する季節となった。
田んぼ農家の我が家は、連休でお出かけという経験はしたことがない。田んぼの植え付けや畑作物の植え付けなどでそれどころではないのだ。ちなみに4.5月のこれまでで植えたものは、トマト、キュウリ、ナス、スイカ、トウモロコシ、カボチャなどに加え、田んぼが53枚の田植えがある。
この1週間でようやく26枚=約半分の田植えが済んだところ。後半分27枚が残っている。今年は田植え機械を落とさないように、と思っていたのだが、昨日、深みにはまってしまった。谷津田というのは水が湧くところがあって、地盤が緩く、そこはトラクターなどもはまるほど深くなる。
用心してたのだが、案の定、田植え機がトポンとはまってしまったのだ。仕方がないので、かご車輪を付けたトラクターを持ってきてワイヤーで引き上げた。ロープなどでは引きちぎれてしまうのだ。その間は田植えが進まない。
やきもきしながらも、黙々と引き上げ予定の田んぼを終えた時は真っ暗になってしまった。田植えの装備は、田植機、苗運びの軽トラック、紙マルチを積むトラック、そして引き上げたトラクターと4台の機械が投入された。2人で仕事してたので、いったん帰って再び田んぼから機械類を引き上げ食事は8時を過ぎた。
代掻き田植えが残っているが途中イベントが入っている。榮太郎本舗の皆さんとの田植え体験と、保育園児の田植え体験イベントだ。
自分の食べるお米がどのような場で作られるのか、体験は大切だという申し出があっての開催だが、それなりの準備が必要だ。できれば田つくりからやった方がいいと思うのだが、いまは機械で代掻きして畦草を刈って整えてお迎えするしかない。特に若い人や保育園児などは田んぼに入ったことなどないだろうから、まず危険がないように、安全策も考えておく必要がある。
と言うことで、未だ忙しい日々が続く。
連休の皆さんは行楽で花見などしてたようだが、野良にもタンポポからポピー、そして名は忘れたが背伸びをした真黄の花が一斉に咲き始め、山々の新芽の緑に癒やされる。この自然の豊かさのおかげで私たち人間の命があることを実感するのです。
byおかげさま農場・高柳功