(産地の声)vol.1651 一老農のつぶやき 2024.6.12
夏だ!30度を超す季節になった。森も田畑も緑全開の様相になってきた。
植えられた稲は、青田になって夏の日差しを浴びて剛健に育っている。植えた当初は、なよなよしていたが根付いて日も経って葉がバリバリと力強く、分けつも盛んになってきた。雑草もたくましく育っていて、雑草退治も同時に忙しい。
ムラの早く植えられた田んぼは、分けつも最盛期となって、畝間も見えないほど繁茂している。早く植えた人は早中干しをしたくなってるだろうなと思うが、我が家は遅いのでこれからが本番で中干しにはちと早い。
一方、畑の方の夏野菜も生育が進む。キュウリも盛りとなって毎日朝夕と収穫が続く。手がないので老妻がキュウリの収穫をする。脊椎間狭窄症で、足が痛いというが「働いていると痛さを忘れるから」とせっせとやっている。
「無理するな」と家族は言うけれど、性分なのだろう。朝になれば台車を押しながらキュウリハウスに通ってる。そして作業場に持ってきては、袋詰め、袋とじしてコンテナに入れる。我が連れ合いながらよくやるなと思う。
ナスやトマトも取れ始まった。千葉市に住む従兄弟がきて初なりのナスやキュウリをあげたのだが、今日も来て「キュウリもナスも旨かったよ」と。作り手をしては、美味しい!と喜ばれることが何よりのやりがいだ。
「スーパーのナスは皮が固くてうまみも少ない。ここの家には柔らかで味も良くてほんとに旨かった!」などと言われるとまた「持ってけ」となる。
キュウリは、曲がりや傷ができやすいので毎日ハネものが出る。なので、毎日毎食ボール半分くらいのキュウリが食卓にのる。ちょっと塩もみした程度のものだけどおいしいのだ。
ナスも販売には量が少ないので毎回ナスが食卓に上る。味噌汁の具や炒め物、煮物にして食べるのだがこれがまた旨い。孫が「残ってたナス全部喰ってしまったよ!」
今市販のキュウリは、ブルームレスが主流だ。これは、接ぎ木で台木の性質が出てブルームの出ないキュウリになる。表面が青々となって見た目が良い。また八百屋さんからみれば日持ちが良いそうだ。本来のキュウリは、表面にうっすらと、(我々の表現で粉が吹くというが、)ブルームがでる。我が家のキュウリは実生で昔ながらのブルームありのキュウリなのだ。が、キュウリは長くとれない。
ともあれ夏野菜の季節になりました。夏には夏野菜を!旬を食べよう。
おかげさま農場・高柳功