(産地の声)vol.1654 一老農のつぶやき 2024.7.3
5月に手植えした田んぼも約40日を過ぎて、大きく成長し分けつも増えて青々と育っている。こども園の年長さん達の田んぼのことである。
小さな子供達なので、ゆっくりでいいから2.3本づつに植えてね、と頼んで植えてもらったのだが、隣の栄太郎さんの田んぼより整然と植えられて、大人の人たちより上手だね、と講評する?。
で、6月の28日は3度目の田の草に会わせて、稲の生長をみてもらうために来ることになったのだが、あいにくの雨。結構な雨日和だったので、中止にした方が良いと思ったりしたが、園の方では、雨天決行と言うことだったので迎えた。
朝からの雨が降り続く中で、大丈夫だろうかと心配したのだが、杞憂だった。観光バスで到着し、激しい雨が降っているさなか、田んぼまで案内したのだが、子供達はまったく雨をものともせずに田んぼまでワイワイと来るではないか。
先生方に聞くと、子供達は替え着も持ってきているし、問題ありませんと言う。その言葉通り、田んぼに案内し、「みんなが植えた苗は立派に生長し、この姿を見て下さい。」「試しに大きくなった稲株を持ってしっかり抜いてみて。抜けないでしょう!」と成長の力強さや稲株の成長をみてもらった。
子供達は、田んぼに入りたくてしょうがない、という感じで、付き添いの先生が「入っていいですか?」と言うので、「踏んづけても稲は強いから大丈夫!」と子供達は面白がって田んぼに入る。
雨は降るし、泥だらけになるのを心配していたけれど、予想外の子供達の活力のある姿に驚いた。自然に対する子供達の抵抗感のなさ!大人よりも子供達の方が自然になじむことは今までの経験から感じていたことだが、降りしきる雨という条件のなか、アメンボウやカエル、バッタなど捕まえたり楽しそうだった!
後で先生方に聞いたところでは、「朝からの雨だったけど、観光バスが来たら『わあバスが来た。これで田んぼに行ける』と喜んでたんですよ」、と。
大人と子供の感性は違うものなんだ、と認識を新たにした。ついでにジャガイモの収穫体験を予定していたのだが、さすがに泥だらけはまずいと、ハウスのミニトマトの収穫体験をしてもらった。養老先生じゃないけれど、子供達は自然の中に入ると何も言わずとも勝手に動き回る。それでいいのだと思う。
稲つくりのDVDを観て、歌を歌っての昼食。我が家の野菜料理を美味しい、美味しいと言って食べてくれた。雨だったが、ほっこりとする田んぼの教室だった。
おかげさま農場・高柳功