規格外品?

(産地の声)vol.1665 一老農のつぶやき           2024.9.18

 今日はと言うか今日も蒸し暑さがひどかった!。昼時温度計を見たら35度を超えていた。屋内の我が家の土間で。ついでに庭先の外の温度計を見たら、さらに高く38度を指していた。「この温度計狂っていないか?」と娘にいうと、「違っていたとしてもそんなに違わないじゃないの」と言われた。気温だけでなく湿気も高く蒸し暑いと言うたまらない暑さなのだ。

 

 気象報道では、全国的に猛暑が続いて、猛暑記録を塗り替えているという。しかもこの千葉北部は雨が降らず干ばつの様相を呈している。

 残り少ない夏野菜の実りは、奇形果がでたり高温障害と思える状態だ。TVでは梨農家も高温障害で、品種によっては9割ほど障害が出て売り物にならないと農家が嘆いていた。

 こんな時は、あるものでしのいでいくしかない。ちょうどというか、都内の女学校の娘さんから文化祭のイベントで、規格外野菜の展示を企画したので協力してほしいと頼まれていたので、今日荷つくりし送ったのだが、あれで良かったのか少々悩む。

 それというのも、娘曰く「規格外野菜と言ってもどうでもいいわけではないでしょう。ほどほどと言うことがあるよね」などと言われたからだ。

 私は20カ国ほど回った経験から(と言っても長期の滞在ではなく、通りすがり程度の旅)言えるのは、日本の野菜や果物の出荷規格は、日本の常識非常識と言うことわざ?があるように、世界標準とは言えない。

 同時に我が家にも30カ国くらいからお客さんが来ているが、日本の出荷規格には疑問を持たれている。30年以上前だが中国から研修生を迎えたことがあった。研修期間は秋の3ヶ月だった。

 たまたまその年、農協の共選によるサツマイモの出荷をしたのだが、農協の共選は、約20階級くらいに選別をする。大きいの小さいの、はたまた形が真っ直ぐなの曲がったの、細いのか丸いのかなどと分けてゆくと20階級となってしまうのだ。それで、研修生曰く「お兄さん!なんでそんなに分けるの?」「日本では分けてやるシステムになってるんだ」というと、彼はまた「食べて違うんですか?」「いや食べる分にはまったく同じだよ」と返したが、「食べる分には同じなら何故分けなくてはならないのですか?」と彼に問われた。同じくタイの研修生からも。

 そんな会話だったな。何なんだろう?この違い!

                     おかげさま農場・高柳功